クオリティソフト(久保統義社長)は、販社やユーザー企業を対象に事業方針や製品動向を紹介する恒例のイベント「VisionQ 2016」を、10月21日から全国6拠点で順次開催した。主力製品の新機能を紹介したほか、注目を集めているマイナンバー対応のポイントを紹介。10月23日に開催した東京会場は満席となった。(取材・文/小池晃臣(タマク))

10月23日に開催した東京会場は満席だった目指すは“カスタマオリエンテッドソリューション”

久保統義
社長 冒頭で挨拶に立った久保社長は、「われわれが目指していくのは“カスタマオリエンテッドソリューション”だ。2016年、皆さんに立ちはだかるであろう課題に対し、当社のソリューションがどのように役立つかを示したい」と抱負を述べた。

浦 聖治
会長 続いて登壇した浦聖治会長(グループCEO)は、主力商材が好調に推移していることをアピール。クラウド型のマルチデバイス管理ツール「ISM CloudOne」の導入企業が4万1000社を超えるとともに、IT資産管理ツール「QNDシリーズ」も「QND Advance」を中心に順調な伸びをみせている。「16年は、ISM CloudOneを今のブレイク以上の“特大ブレイク”の域にまでもっていきたい。QNDシリーズも引き続きユーザーに大きな魅力を提供できるだろう」と強調したうえで、和歌山県・南紀白浜に加えて長野県松本市にも新たに開発拠点を設置したことにも触れながら「ユーザーの問題をすばやく解決できるよう、パートナーにはさらなるビジネスチャンスを提供できるよう体制を整えた」と述べた。
マイナンバー対応の新機能をリリース

大槻 茂
取締役 大槻茂取締役は、さらに価値を提供するために現段階で推進している四つの戦略について話した。一つ目としては、クラウド市場のリーディングカンパニーに向けて、インターネットリモコンやURLフィルタリング、ログ管理、ディスク暗号化などの新機能をこの1年の間に順次追加していることを説明。二つ目はマイナンバー対策のためのセキュリティ機能の強化、三つ目は標的型攻撃対策の拡充、そして四つ目として海外ビジネスの拡大を訴えた。これらの戦略を展開するなかで、「お客様のさまざまな環境、さまざまな運用に応えていきたい」との考えを示した。

山崎誠司
ビジネス推進本部
本部長 次に、山崎誠司・ビジネス推進本部本部長がマイナンバー対策と標的型攻撃など最新のセキュリティ脅威への対策について、デモを交えて詳細に解説した。マイナンバー対応を可能にする製品として、まず挙げたのが個人情報/機密情報保護ツールの「QGG」だ。コンテンツ自体をしっかり守ることを目的とするQGGには、特定個人情報ファイルを探査し、持ち出しを制御する機能が備わっている。QNDシリーズとISM CloudOneでは、デバイスベースでのセキュリティ運用を効率化することでマイナンバー対応をサポートする。さらに、マイナンバー法の改正などを受けて、12月以降にはQNDの新たなマイナンバー対策機能として、個人情報、特定個人情報、機密情報を探査する機能などをリリースしていくという。
標的型攻撃など脅威に関しても、QNDシリーズとISM CloudOneのクラウド型URL Filterling機能などによって対策を強化。近くリリース予定の「ISM CloudOne V6」では、運用の極小化やシームレスなシステム連携をコンセプトに掲げている。

関 哲也
技術本部
プロフェッショナル
サービス部
副部長 最後に、関哲也・技術本部プロフェッショナルサービス部副部長が、プロフェッショナルサービスについて紹介。事例として、国立がん研究センターにおけるライセンス管理の調査支援の経緯を説明した。
VisionQ 2016は、10月21日の札幌での開催を皮切りに仙台、東京、名古屋、大阪、福岡と、全国を縦断して開催された。満席となった東京会場では、販社やユーザー企業がクオリティソフトの取り組みに対して関心を高めている様子がうかがえた。