「Track A」の第2セッションでは、クラウド利用促進機構の森洋一・総合アドバイザー テクノロジー・リサーチャーが「イノベーションと日米IT文化の考察<整理が進んだ米クラウドと自動運転車の開発競争>」と題して講演した。熾烈な開発競争が進む自動運転車について解説したほか、関連投資が毎年1.5倍から2倍もにも達しており、協業や関連企業の買収が進む現状を紹介した。

森 洋一
総合アドバイザー
テクノロジー・リサーチャー 例えば、米自動車メーカーではフォードが先行。米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)では、自動運転をレベル0(すべてを人が操作)から、レベル4(完全自動化)の5段階に定義する。フォードはレベル4の車を2021年に量産出荷するとコミットしている。だが、森リサーチャーが注目するのはGoogle Carで、その戦略で世界が変わるという。
Googleは、カーナビ(HU)の標準化を目指して、Google Mapsを強力な武器にすることを目指す。核となるのはAndroid Autoで、その普及を進めるGoogle主導のアライアンスOAA(Open Automotive Alliance)にはほとんどのメーカーが名を連ねる。Googleの開発する自動運転ソフトウェア「Chauffeur(お抱え運転手の意味)」が人に代わって車を運転するようになると予測を述べた。
AIとロボティクスよって進むイノベーションは産業の大変革で、インダストリー4.0を超えているが、考えようによっては大きなチャンスで「すべてITとつながるため、ITエンジニアにかかっている。日本のITは今こそ頑張る時であり、新しい価値の提供で活力を取り戻せる」と森リサーチャーは力説した。