「Track C」のラストセッションでは、シュナイダーエレクトリックの安西出・IT事業部パートナー営業本部本部長が登壇。「IoTによって需要が急拡大!サーバーだけじゃない電源管理の重要性」と題した講演で、IoT向けUPS(無停電電源装置)の活用について、事例を交えながら解説した。

安西 出
本部長
講演の冒頭、安西本部長はシュナイダーエレクトリックの会社概要を紹介。同社はフランスに本社を置き、日本では1962年に事業を開始した。ITビジネスにおいてはUPSやサーバーラック、冷却ソリューションなどを提供。とくに「APCブランドのUPSは業界でトップシェアをいただいている」とアピールする。
また、モビリティ、クラウド、アナリティクスなど、ITのアーキテクチャの変革にともなって、「データ量が爆発的に増大し、ネットワークのボトルネックが問題になっている」と指摘。IoT環境においては、電源の切断はデータの消失や生産の遅延、利益の損失、装置の故障など、さまざまなリスクを誘引する恐れがある。IoTでは遅延の起こらないデータの送受信が重要となることから、「エッジコンピューティングや、サーバー以外の装置による電源管理の需要が喚起されている。当社としては、大型・中小規模のデータセンターや社内サーバールームの需要が堅調に伸びてくるだろう」と説明した。
シュナイダーエレクトリックでは、UPS、PDU(電源タップ)、サーバーラック、空調システムなどを組み合わせ、最適な環境を整備するデータセンター向けポートフォリオを用意。とくに、データセンターにおける電力消費コストの多くを占めるのが冷却するための空調だといわれている。これをふまえ、顧客には「空調にかかる電力使用量の30 %相当を削減する」ことをメッセージとして打ち出し、サーバーラックの配置からコンサルティングするなど、データセンターの冷却効率を最適化する提案を行っている。

各種UPS製品群を披露
また、サーバー以外の分野でのUPS導入も推進しており、講演では「店舗用POSレジ端末向けUPS」「ネットワーク監視カメラ向けUPS」「雨量計向けUPS」といった複数の事例や社内検討中の事案について紹介。「IoTの市場にはパートナーとともにアプローチしていきたい」と、参加者に協業を呼びかけた。