「Track A」の第3セッションでは、データドックの宇佐美浩一社長CEOが「ビッグデータ分析特化型データセンターとサービスのご紹介~SIerとマーケティングコンサルの協業点を探る~」と題して講演した。

宇佐美浩一
代表取締役社長CEO まず、宇佐美社長は2017年10月に竣工予定のビッグデータ分析に特化した新潟県・長岡データセンター(DC)を紹介。「寒冷地の特徴を生かして空調コストをゼロに近づけることができる。また、データで攻めたいマーケティング部門とデータを守らなければならないシステム部門のジレンマから、企業のデータ活用がうまく進まないという課題がある。長岡DCはそのジレンマを解消できるよう橋渡しをしたい」との考えを示した。
現在、日本のDCの多くは老朽化しており、新しいDCは全体の5%程度だという。老朽化は電力制限という問題と関わり、ビッグデータ分析のようにシステムの能力をフルに使用する用途には、コストも含めて大きな負荷となる。宇佐美社長は、「東京の消費電力の10%はDCが使用しているほど電力問題は大きな課題。老朽化したDCはコスト高で床耐荷重も問題だ。現状、ビッグデータを本格活用するための割安で高規格なDCが圧倒的に不足している」としている。
長岡DCは、外気+雪氷によるハイブリッド冷房技術の採用で、電力消費の44%を占める冷却(空調)の電力コストを、年間を通じて大幅削減できる。現状のPUE(エネルギー効率)は1.2、将来的に1.0を達成する見込みだ。
さらに、機器の廃熱を水耕栽培と水産養殖に活用し、新たな産業を生み出すなど地域貢献を目指している。
「本社も長岡に構えた。徹底したエコに加え、地域貢献まで含めた取り組みは、私の知る限り世界初のチャレンジ」と宇佐美社長はアピール。建物構造は、直接基礎+免震構造で床耐荷重は1㎡あたり3トン。東京・大手町と長岡DCを結ぶバックボーン帯域は100Gbpsを確保した。東京から最短1時間45分というアクセスのよさも売りだ。

ブースでも長岡DCの強みを紹介
データドックのサービスは、DCによるインフラサービスに加え、データ分析・活用を行うアナリティクス領域のサービスを提供できることが大きな強み。宇佐美社長は、「マーケティング志向のスタンスで、サービスを提供していく。また、データ分析の協力パートナーを広く求めている」と呼びかけた。