「Track B」の第1セッションでは、ティントリジャパンの猪飼光明・SEマネージャーが「仮想マシンを自動最適化!ティントリフラッシュストレージで快適仮想環境を!」と題し、ワークロードの多くが仮想環境上で処理される現代のITインフラに求められるストレージ製品について解説した。

猪飼光明
SEマネージャー 猪飼マネージャーは、従来のストレージには「I/O要求がどのVM(仮想マシン)からのものかを認識できないため、VM同士で性能の奪い合いが発生する」という問題があると指摘する。仮想化技術を導入した環境では、物理サーバー上にある複数のVMが並行してストレージにアクセスするが、あるVMが大量のI/O要求を発行した場合、他のVM上で動作するアプリケーションの性能が極端に低下するといったトラブルが発生する。業務やサービス提供の停滞につながるほか、一つのインフラをマルチテナント方式で複数の顧客に提供していた場合、あるユーザーの負荷増大が無関係な他社に影響を与えることになりかねない。
これに対して、ティントリの仮想化専用ストレージ「VMstore」シリーズでは、I/O要求がどのVMから発せられたものかをストレージ装置側で認識し、VMごとにI/O性能を割り当てることができる。管理者による任意の割り当てはもちろん、各VMのI/O傾向を分析して自動的にQoSを設定できるので、仮想環境におけるストレージ設計の手間を大幅に削減できる。
管理者用のユーザーインターフェースも仮想環境に特化したデザインとなっており、従来のストレージではRAIDアレイやボリューム名がメニューリストに並ぶのに対し、ティントリ製品では仮想マシンの名前をキーに容量や性能の設定・監視を行える。
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仮想マシンごとに管理できるUIを実機で紹介
また猪飼マネージャーは、「容量の空きはどんなストレージでも管理ができるが、性能の余裕は従来ほとんどのケースでわからなかった」と述べ、仮想マシンごとのI/Oを可視化することで、インフラの性能を把握できることを強調した。例えば、「今年度中に、あと20台のサーバーを立てるが、ストレージの追加は必要か」といった事項について、容量だけでなく性能の観点からも正確な見積もりが可能になる。SIerにとっては、顧客に最適なIT投資を提案できるといった点がメリットとなる。