複合機、プリンタは成熟化が進み、国内外市場で伸び悩んでいる。これらを主体に事業を展開しているプリンタベンダーにとっては、新たな成長領域の育成が課題となる。そうしたなかで注目されるのが、大判インクジェットプリンタだ。「これからの社会トレンドに合致している」とビジネス機械・情報システム産業協会(JBMIA)の碓井稔会長は話し、大判インクジェットプリンタ部会を4月1日に設立したことを発表した。(山下彰子)

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 JBMIAは、コピー機、複合機、ページプリンタ、デジタル印刷機のほか、データプロジェクター、タイムレコーダー、電卓・電子辞書、POS、電子ペーパーなどのオフィスや店舗で使用する機器のメーカー、サプライヤーが会員で、2016年から体質強化のため領域の拡大を検討してきた。同協会は事業領域であり、また成長領域である大判インクジェットプリンタに2017年から着目。部会の設立準備委員会を設置し、立ち上げを進めてきた。なお、大判インクジェットプリンタのメーカー会的組織は国内では初となる。
 
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碓井稔
会長

 大判インクジェットプリンタはじわじわと市場規模を拡大している。同協会の依頼で調べた調査会社の統計では、世界の市場規模が約4000億円で、22年まで年率3%程度の成長が見込めるという。この成長の背景について、碓井会長は、「昔、事務器でもアナログからデジタルへ変わる大きな波が起こった。この波が大判インクジェットプリンタの分野にきている」と説明する。なかでも注目しているのがテキスタイルとサイネージだ。「この二つの分野はデジタル化率がまだ低く、サイネージで20%、テキスタイルでは10%ほどだ。今後すべてがデジタル化していくと考えると、大判インクジェットプリンタの成長が期待できる」と語った。とくにテキスタイルはアナログインクの使用が多く、環境対応という観点でデジタル化はトレンドとなりそうだ。

 日本市場では20年の東京五輪特需、また大阪府が25年開催の「国際博覧会」を誘致していることから、こうした国際イベントが大判インクジェットプリンタ市場の活性化の追い風になると期待している。

 今後新部会では、大判インクジェットプリンタの使用環境に関する安全性の検討、基本仕様をカタログに記載する方法の標準化の検討などに取り組み、この分野の立ち上げをサポートしていく。

 今回、新部会に参加したのは沖電気工業、キヤノン、コニカミノルタ、セイコーエプソン、ブラザー工業、リコーの6社。今後、他社への参加も呼びかける。