システム開発支援の米デルフィックス・ソフトウェアの国内での売り上げが倍増する勢いで伸びている。同社の昨年度(2018年1月期)の国内売上高は、前年度比約1.8倍に伸びた。「日本進出4年目にして本格的な拡大期に入っている」(デルフィックス・ソフトウェア日本法人の吉川浩司・営業本部長)と手応えを感じている。販売パートナー向けの支援体制を整備することで、今年度も同様の高い伸びを目指している。

 開発と運用を一体化させるDevOpsやアジャイル方式の開発で、同社ソフトウェアの採用が進んでいることが売り上げを後押ししている。米デルフィックスの強みとするデータベース仮想化の技術は、例えば「本番データ」をもとに「テストデータ」を生成するなどに応用でき、システム開発の生産性の向上に役立つからだ。

 国内の個人情報保護、欧州のデータ保護規則といったデータ保護の流れのなかで、本番データをテスト用に持ち出しにくい傾向が強まっている。一方で、DevOpsやアジャイルは、日常的に開発やテストを行う開発手法であるため、本番データに準拠したデータニーズが増大。こうしたことが、米デルフィックスの「Delphix Dynamic Data Platform」を始めとする主力製品の販売増につながっている。

 企業ユーザーにとって、本番データは機密性の高いデータであるため、システム開発にあたっての動作検証には、従来、ダミーデータが使われることが多かった。しかし、ダミーデータの検証では限界があり、いざ本番稼働したときに「トラブルが発生することが頻繁に起こっていた」(米デルフィックスのリチャード・ガーディス・アジア太平洋地域営業担当バイスプレジデント)。

 そこで、米デルフィックスでは、本番データをランダムに入れ替える「マスキング」と呼ばれる手法を実装。例えば、データベースに「山田、太郎、25才」という項目があったとしたら、「伊藤、太郎、20才」などと別人の同項目のデータと入れ替えることで、結果的に意味のないデータに変換する。本番データには「20才」とあるべきところが「二十歳」「ニジュウサイ」などと入力されていることもあり、この表記揺れや記入方法の間違いをしっかりテストデータに反映することで、より精度の高いテストが可能になる。
 
右からデルフィックス日本法人の吉川浩司本部長、
米デルフィックスのバイスプレジデントのリチャード・ガーディス氏、
ロバート・ハーパー氏

 直近の国内販売パートナーは、アシストや伊藤忠テクノソリューションズ、インサイトテクノロジーなどで、二次店も含めれば20社余り。この8月にはビジネスパートナー向けのプログラムを刷新。販売パートナー向けの最上位のエリートパートナーは「年間100万ドル(約1億1000万円)の販売目標を共有する」(米デルフィックスのロバート・ハーパー・グローバルチャネル&アライアンス担当バイスプレジデント)といった、具体的な販売目標と支援内容を明確化することで販売に一段と弾みをつけていく。(安藤章司)