富士ゼロックス(玉井光一社長)は11月15日、複合機の新たなフラッグシップモデルとして「ApeosPort―VII C/DocuCentre―VII C」シリーズ16機種をリリースした。直観的なUIやセキュリティー機能の強化、サードパーティーのクラウドサービスとの連携強化などを特徴として打ち出しており、ユーザーの業務の生産性向上に大きく貢献できるという。

新製品発表記者会見に出席した玉井光一社長

 富士ゼロックスは今年3月、製品戦略として「Smart Work Innovation」を掲げ、生産性の低い定型業務や属人化された業務プロセスからユーザーを解放するためのソリューションを提供していく方針を明らかにした。ApeosPort―VII C/DocuCentre―VII CはSmart Work Innovation戦略の基盤となる製品だ。具体的には、操作パネルにスマートフォンライクなUIを採り入れ、「複雑化する一方の複合機を誰でも使いこなしてもらえるように留意した」(岡野正樹・常務執行役員エンタープライズドキュメントソリューション事業本部本部長)。

 また、セキュリティー機能については、特に他社と大きな差別化が可能なポイントとしてアピールしている。記者会見で玉井社長は「なぜ今さら複合機なんだと思われるかもしれないが、非常にユニークな製品が誕生したということ。現在オフィス環境が抱えている最大の課題であるセキュリティーについて大きく機能強化したことは重要なトピックだと考えている。今年はデジタル複合機やレーザープリンターなどオフィスでのプリントに広く使われている電子写真技術『ゼログラフィー』の発明から80年。まさに80年の集大成ともいえる製品に仕上がった」と強調した。新たな暗号技術への対応、データ保護、プライバシー保護、デバイス保護、セキュリティー認証といった観点で、競合他社の複合機と比べて格段に優れたセキュリティー機能を実現したという。

 さらに、Azure ADとの連携を実現し、マイクロソフトのオンラインストレージ「OneDrive for Business」などとの連携も可能になった。サードパーティー製のオンラインストレージサービスと複合機を一つのインターフェースで連携させて活用できるにする「Cloud Service Hub」では、スキャン文書の保存時にOCR処理を施すことが可能になり、保存したスキャン文書の文字情報を基にしたファイル検索ができるようになった。

 玉井社長は「複合機の市場そのものはそれほど成長しないかもしれないが、この商品でシェアを取っていく。ただし、価格競争をするつもりはなく、営業利益率10%以上を達成する起爆剤にしたい」として、新製品群が他社からの顧客奪取のトリガーとなり得る付加価値を備えているとの見解を示した。日本、アジア太平洋地域の合計で年間14万台の販売を目標に掲げる。

 なお、玉井社長は記者会見中で米ゼロックスとの関係についても言及。米ゼロックスと富士ゼロックスとの経営統合の行方はいまだ不透明で、米ゼロックスは富士ゼロックスと締結している営業地域の棲み分けを含む技術契約を更新しない方針を表明したままだが、玉井社長は「米ゼロックスとの製品開発における連携はむしろ深まっている」としている。欧米市場においても、米ゼロックスとの協業により新製品を拡販し、シェアを拡大したいとの期待を示した。(本多和幸)