ディストリビューターのイグアス(矢花達也社長)が、同社としては初となる自社製品の開発に乗り出した。開発しているのは、IBMのAIサービス「IBM Watson」の機能を使った議事録と要約の自動生成システム「Meeting Activator for AI Minutes」。自社開発製品だが、同社での販売はなく、これまで通り、パートナー経由の提供となる。

(前列右から)クラウド&ソリューション事業部テクニカル推進部の藤沼貴士部長、
プラットフォーム製品事業部IBMソフトウェア営業部の唐澤 洋氏、
テクニカル推進部の寿村 聡氏。
(後列右から)テクニカル推進部の松尾賢治氏、留田健三氏

 ディストリビューターとして、各社の製品をパートナーに提供しているイグアスが、自社製品の開発に至った経緯について、クラウド&ソリューション事業部テクニカル推進部の藤沼貴士部長は、次のように語る。

 「WatsonはAIソリューションとして広く知られているが、何に使えるのかという問い合わせをパートナーからいただくことが多い。そこで、すぐに使えるように商品化しようと考え、Meeting Activatorの開発に至った」。Meeting Activatorは、Watsonの会議支援ソリューション「AI Minutes」を活用しており、イグアスでは同サービスで自動生成した会議録を議事録と要約の形にまとめる処理の部分を開発した。

 AI Minutesは、地方自治体を中心に引き合いが多く、そこでの要望として「議事録と要約」の自動生成機能があったと、プラットフォーム製品事業部IBMソフトウェア営業部の唐澤洋氏は語る。「地方自治体では、議事録をウェブにアップすることが求められるが、少ない人数で対応するのが大変という事情がある。通常は、録音した議事録を外部に委託してテキスト化し、自分たちで要約を作っている。こうした手間を軽減したいというニーズは多い」。Meeting Activatorは、ほぼ完成しており、現在は一部の自治体と検証テストを行っている段階にある。

 音声認識サービスは、一般的に周囲の雑音に弱いため、イグアスではパートナーのティアックオンキヨーソリューションズが提供するマイクシステムを採用。会議参加者全員の前にマイクを配置することで、発言のテキスト化の精度を上げている。

 また、議事録の要約機能については、オープンソースのライブラリーを採用。Watsonとの連携部分を自社で開発し、チューニングした。

 Meeting Activatorは、主に自治体向けを想定しているが、民間企業においても大いに可能性があると考えている。「Watsonのリアルタイム翻訳機能も利用できるので、例えばオフショア開発での打ち合わせ議事録作成などに利用できる。オフショア開発では言った、言わないになりがちなので、両国の言葉で作成した議事録が必要とされている」と、藤沼部長は今後の展開を考えている。

 Meeting Activatorは検証テストを実施し、3月末までには販売を開始する予定である。(畔上文昭)