RPAプラットフォームを提供するUiPath(長谷川康一社長)が新バージョンを発表した。従来のワークフロー作成・実行・管理機能に加え、プロセスマイニングや効果測定などのコンポーネントを製品ポートフォリオに追加。プラットフォームのカバー範囲を拡大させ、RPAにおける分析、導入、フィードバックという一連の流れをエンドツーエンドで支援していく方針だ。

原田英典Head of Product Marketing

 今回発表したコンポーネントは、デスクトップの操作を基に業務内容を可視化・文書化する「Explorer Expert」、システム内のトランザクションを基に業務プロセスを可視化・共有する「Connect Enterprise」、ビジネス部門のロボット作成を可能にする「Studio X」、ロボットによる自動化の成果を可視化する「Insights」など。

 パートナーソリューション本部マーケティング部Head of Product Marketingの原田英典氏は「Explorer Expertによってデベロッパーでなくても自動化の流れに参加できるようになった上、もし現場スタッフがロボットを作りたいと考えたときにはStudio Xがある」と話す。これまである程度のスキルを必要としていたUiPathのソリューションがより現場向けに進化しつつある。

 Explorer ExpertとConnect Enterpriseは、10月15日に米UiPathが買収したと発表したStepShotとProcessGoldの技術によるもの。原田氏は「RPAの導入は一巡したといわれるが、その中で効果的に自動化できた企業と期待した効果が得られなかった企業が生まれた。両者の違いは“計画”にある」と指摘する。「一つの部門で完結する反復業務はRPAで自動化しやすいが、そういった業務は限られる。多くの業務は部門を越えて分散しており、それらの業務を自動化するには各部門を取りまとめ、しっかりとした計画に基づいて進めていかなくてはならない」と強調する。プロセスマイニングは、その計画段階においてどの業務を自動化すべきか、なぜ自動化すべきかを定量的なデータとして示すことができる。

 もともと同社は、19年6月にプロセスマイニングツールベンダーであるセロニスと協業関係を結び、SAPのERPからRPAで自動化するためのデータを抽出する「RPAスカウトサービス」を提供してきた。ただ今回、「オールインUiPathとして製品化したことで、ユーザーがベンダーを選定したり、問い合わせをする際の手間を削減できるようになった」と原田氏は語る。

 一方、SAPは同社のERPソリューションとプロセスマイニングツール、RPAなどで構成されたソリューション群を日本市場に投入しており、提供するサービス内容がUiPathと競合するようになってきている。ビジネスアプリケーションのトップベンダーによる参入について原田氏は「一つのシステム上で自動化をしたいなら、そのシステムのベンダーが提供するRPAツールを使うべき。複数のシステムをまたがり自動化したいときこそ、われわれのようなベストオブブリードを前提とした専業ベンダーのソリューションが生きてくる」と優位性を強調する。

 今回発表した各コンポーネントは19年から20年にかけて段階的に提供を開始する。提供から2~3カ月後に日本語化する予定だ。(銭 君毅)