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グレスアベイル コンテナ環境対応WAFを新開発 インフラ刷新と合わせ50%のコストカットを実現

2020/03/05 09:00

週刊BCN 2020年03月02日vol.1815掲載

 国産セキュリティベンダーのグレスアベイル(澤井祐史代表取締役CEO)がコンテナ環境に対応したクラウド型WAFの提供を本格化させている。今後、ネットワークセキュリティ機能やふるまい解析機能なども追加していく方針だ。

澤井祐史 CEO

 澤井CEOは「近年のクラウドへのシステム移行に伴ってWAFの市場は拡大しているが、SaaS型のWAFでは環境にそぐわなくなっている」と指摘する。特に従来のSaaS型WAFを利用する際は、外部のサービス基盤を中継することから余分なトラフィックが発生し遅延とコストをもたらす原因となっていた。

 同社が19年11月に提供を開始した「GUADIAX」はコンテナ環境での運用に対応したWAF製品。比較的大規模なサイトを運営している事業者などがターゲットで、具体的には月間でピークトラフィックが50Mbpsを超える事業者を対象に提案する。そうしたユーザーはWAFだけでなくWebアプリケーションインフラから見直すケースが多く、Webアプリケーションとコンテナ化されたWAFを同一基盤上に集約することで、レイテンシーと通信コストを最小限に抑えられるという。

 また、パブリッククラウドが持つオートスケールやログ解析といった機能を活用できることも大きなメリット。澤井CEOは「トラフィック量が多ければ多いほどコストパフォーマンスが高くなる。半分近くまで運用コストをカットできることもある」と強調する。

 現在すでに2社の導入が決定し、プロジェクトが進行している。澤井CEOは「自社でデータセンターを運用しているような事業者を中心に検討していただいている。目の前の案件をしっかり構築しつつ、本格的に拡販したい」と意気込む。

 シーイーシーを含む従来のパートナー企業と協力していくほか、ハイタッチでも提案を進め、まずは3年後に年間30億円の売り上げを目指す。また、WAFの導入と同時にネットワークインフラの刷新を行うケースが増えていることから、パートナーとの連携を強化し、大手SIerなどと新たに販売代理店契約を結んでいく方針だ。

 同時に随時GUADIAXをアップデートし、ネットワークセキュリティ機能やふるまい解析、AIによる自動解析防御といった機能を今後数カ月で実装していく。澤井CEOは「現在はウェブセキュリティがメインだが、将来的にはコンテナ環境におけるセキュリティインフラを一つのサービスで包括するトータルソリューションとして提供していく」と語る。(銭 君毅)
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