新型コロナウイルスの感染拡大で、個人向けPC市場が盛り上がっている。NECパーソナルコンピュータ執行役員とレノボ・ジャパン執行役員常務を務める河島良輔氏は、テレワークをするための業務用途の需要が増しているとの認識を示し、「平時ならば数年がかりで起こるような変化が1日単位で起こっている」と市場の変化に驚きを隠さない。

テレワークで取材に応じる 河島良輔氏

 全国の主要家電量販店・ネットショップのPOSデータを集計した「BCNランキング」によると、4月第1週(3月30日~4月5日)のPC販売台数は前年比109.0%となり、前週の85.7%から23.3ポイント急伸した。

 河島氏は「年明けはWindows 7 EOSの最終駆け込みがあり、その後緩やかに落ちていたが、2月までは前年比でプラスになっていた」と今年序盤のPCビジネスについて説明。中国で新型コロナウイルスの感染が拡大して以降は「中国の工場の稼働が止まり、自粛ムードもあって苦戦し始め、3月終盤で前年比マイナスになった」と話す。

 状況が変わったのは、4月に入ってからだ。新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入する企業が増え、需要が急拡大。Windows 7の買い替えでは15インチのA4ノートPCやオールインワンのデスクトップPCが売れ筋だったが、次第に薄型軽量なモバイルPCの販売が増えてきたという。

 河島氏は「家にいながら、場所を変えられるモバイルの方が取り回しがいいからではないか」と分析する。さらに「直近の1、2週間は、東京都の助成金を活用するため、助成の条件となる10万円未満のモデルが売れている。急きょテレワークの導入を決めた中小企業を中心に、すぐに使いたいというニーズがあるようだ」とみる。

 業務用途での販売が増える中、河島氏は「これからは休校が続く学校のオンライン授業用途の需要が生まれてくる」と予想。新型コロナウイルスによる一連の需要は「一時的なもの」と前置きするものの、「母数を考えると、市場のポテンシャルは相当ある」と期待を寄せる。

 さらに「PCの必要性を徐々に浸透させないと再成長できないと思っていたところ、われわれが訴えるよりも数百倍大きな力で市場が動いている。1日も早い事態の収束を願いつつ、PCが世の中に貢献できることを認識してもらえるようにしっかりサポートしていく」としている。(齋藤秀平)