新型コロナウイルスの感染拡大を受け、コンタクトセンターソリューションを提供するジェネシス・ジャパン(ポール・伊藤・リッチー社長)は、「COVID-19対策プログラム」を展開している。4月6日に発表した第1弾ではクラウド型コンタクトセンタプラットフォーム「Genesys Cloud」を無償提供することで、換気ができない、多くの人が集まる、近距離で発声するなどいわゆる「3密」(密閉・密集・密接)になりがちなコンタクトセンターの在宅勤務を支援する。5月中にはプログラムの第2弾として、新たな支援メニューを提供する予定だ。

ポール・伊藤・リッチー 社長

 第1弾のCOVID-19対策プログラムで無償提供されたGenesys Cloudはクラウド型のコンタクトセンター向けプラットフォームで、場所を選ばずに接続でき、従業員の在宅勤務を可能にする。具体的な機能としては、音声機能やチャットといった基本的なコミュニケーション手段に加え、顧客対応のレポーティングや分析機能、他社が提供するワークフローやCRMとの連携機能などを一元的に提供する。

 Genesys Cloudユーザーのアステラス製薬は、コンタクトセンターの在宅勤務を既に実現している。年間10万件の問い合わせを処理する「メディカルインフォメーションセンター」で、4月から全てのオペレーターが在宅勤務に移行しているという。

 一方で、ジェネシス・ジャパンによれば、在宅勤務に対応できていない企業も少なくない。その多くは情報漏えいなどのセキュリティ面を懸念して踏み出せないのだという。リッチー社長は「在宅勤務に対応するためのテクノロジーは既に市場に揃っているし、ユーザーの中にはベテラン従業員のみに在宅勤務を限定するなどセキュリティの課題を運用面でカバーしている企業もある。あとは経営者の決断だけ」と語る。

 また、直近の問い合わせについてリッチー社長は「暫定的にコンタクトセンター機能を在宅勤務に対応させたいというよりも、将来の本格運用を見据えてクラウド型コンタクトセンターシステムの導入を検討したいという問い合わせが増えている」と説明。各企業が慌てて対応に走る状況が終わりつつあると明かす。「Genesys Cloudの機能はユーザーのニーズに合わせて自由に拡張できる。現時点では最低限の機能で十分だとしても、柔軟性のないツールを選んでしまうとそれが原因で行き詰ってしまうこともある」(リッチー社長)と強調する。

 COVID-19対策プログラムの第1弾では新規ユーザーとオンプレミス版ユーザー、そしてクラウド版ユーザーのそれぞれに対してGenesys Cloudの無償利用や料金免除といったメニューを提供した。5月中に発表する第2弾では、急激なコール量の増加や在宅コールセンターに対応するだけでなく、システム面などの制約でチャット機能などを導入できない際の支援策もプログラムに盛り込む計画だ。(銭 君毅)