シスコシステムズ(デイヴ・ウェスト社長)は、中小企業向け製品の新ブランド「Cisco Designed(シスコ・デザインド)」を発表し、ネットワーク機器の新製品や新たなクラウドサービスを発売した。従来「Cisco Start」のブランドで販売していた製品群に、機器の運用代行などのサービスを加え、月額課金型のソリューションとして提供する。主に従業員数25人から250人規模の企業を対象としており、同社ではこの市場で2年以内に導入率30%を目指す。

Cisco Designedで提供するクラウド管理型アクセスポイントの新製品「Meraki MR36」

 Cisco Designedは、クラウド管理型無線アクセスポイント「Meraki」を初めとしたITインフラ製品、Web会議サービス「Webex」やヘッドセット等の周辺機器、そして多要素認証「Duo Security」やセキュアゲートウェイ「Umbrella」などのセキュリティサービスから構成され、それらの導入・運用を支援するマネージドサービスパートナーから提供される。

 発売時点のパートナーとしてはダイワボウ情報システム、富士通マーケティング、北陸通信ネットワーク、KDDIまとめてオフィス、NTT東日本、NTT西日本、大塚商会、オブテージ、リコージャパンの9社が挙げられている。このほか、中小規模のリセラー、SIerを対象とした「Express」版のパートナープログラムも新たに用意する。シスコでパートナー事業を統括する大中裕士専務は「ネットワークシステムを所有から利用へ、大きくシフトしていく」と述べ、従来は製品販売が中心だったパートナーが、サブスクリプション型のマネージドサービスを迅速に立ち上げられるよう、同社としてもパートナーのビジネス変革のサポートに力を入れていく方針を示した。

 シスコは2015年にCisco Startブランドを立ち上げ、中小企業向けの専用製品を開発しこの市場の本格攻略を開始した。Cisco Startは日本独自の製品・販売戦略として始まったが、日本で良い成果をあげられたことから、その後アジア地域にも拡大し成功を収めた。今回、この取り組みを全世界に広げるにあたり、ブランドをCisco Designedへと刷新するとともに、同社のクラウドサービスの訴求を強化する。

 大中専務は「ブランド変更の目的は、中小企業のデジタル変革の推進だ」と述べ、Cisco Designedでは社会的に要請されているテレワークの導入など、中小企業がビジネス環境の変化に対応するための支援を行っていくと強調。売り切り型から月額制のマネージドサービスへと軸足を移すことで、新機能・新サービスを継続的に提供していけるようにする。

 Cisco Designedが対象とする規模の中小企業は国内に約170万社あるといい、現在のシスコ製品の導入率はおよそ10%だが、「1~2年で導入率30%、約50万社まで広げ、キャズムを超える(=アーリーアダプターのみならず主流の顧客にも届ける)」(大中専務)ことを目指すとしている。(日高 彰)