ストレージメーカーのインフィニダットジャパン(岡田義一社長)は、オンプレミスでのデータ保存の需要をつかむことで販売増につなげている。さまざまな業務アプリケーションをパブリッククラウド上で稼働させるケースが増えているが、「企業の戦略資材であるデータについては自社の管理下にあるデータセンターで保管したいというニーズは根強くある」(岡田社長)と見る。実際、同社はそうした需要を的確に捉えることで過去3年間の日本国内での売り上げを毎年倍増させる勢いで成長してきた。

岡田義一 社長

 パブリッククラウドが広く普及し、優れた業務アプリケーションをその上で簡単に使えるようになった。だが、そこで発生した大量のデータをそのままクラウドに保管してしまうと、「万が一のセキュリティ上の懸念のみならず、データを移動させたり取り出して活用したい場合、むしろコスト高になる」と岡田社長は指摘。ペタバイト級のデータを扱う大手金融機関や大手自動車メーカーはすでにそうした課題意識を持っており、アプリによる処理はクラウド上で行い、「データはアプリから分離し、オンプレミスに格納する動きが出始めている」と話す。

 インフィニダットジャパンでは、ハードディスクドライブ(HDD)を多用することで容量あたりのコストを抑え、これにアクセスを担うDRAM、高速アクセスを担うSSDを組み合わせて十分な記録速度を実現。増え続ける重要データを、安く、安全に、快適さを損なわない速度で保管したいというニーズに応えている。

 具体的にはサーバーと直接やりとりする記録媒体は、ランダム接続に強いDRAMを使い、補助的な役割を果たすキャッシュメモリとしてSSDを活用。サーバーとの高頻度な入出力の99%をDRAMとSSDの組み合わせで処理することで高速性を実現している。ある程度の処理が完了したあと、データの書き込み順序を整えてHDDに記録する仕組み。HDDは安価で大容量だが、記録速度が比較的遅い。これをDRAMとSSDで補完することで、高速性を保ちながらHDDの利点を最大限に生かす独自のアーキテクチャーを強みとする(図参照)。
 

 1ラックに最大480個のHDDを搭載し、データ容量換算で6%をDRAMとSSDに記録、残り94%をHDDに保存する。記録媒体の特性ごとにデータを振り分けるのは同社が開発した機械学習ソフトのアルゴリズムによって実現している。岡田社長は「例えば、ストレージをネットワークで結んで企業グループ全体やサプライチェーンの参加者で共有し、相互にバックアップをとったり、大容量データを安価にやりとりする仕組みも構想中だ」と、将来的により活用シーンを広げるべく、機能拡張を進めていく方針を示している。(安藤章司)