シトリックス・システムズ・ジャパン(尾羽沢功社長)が「Citrix Workspace」を核にした生産性向上ソリューションの提案を強化している。今年2月ごろから緊急事態宣言期間中あたりまでは、緊急避難的にリモートワークに取り組む企業が多く、同社の従来の主力であるVDIをとにかくスピーディーに導入したいという問い合わせが殺到した。しかしここにきて、リモートワークを前提としつつ、ニューノーマル時代の新しい働き方やデジタルトランスフォーメーション(DX)の基盤としてCitrix Workspaceを提案してほしいというユーザー企業の声が高まっているようだ。國分俊宏・セールスエンジニアリング本部エンタープライズSE部部長は「インテリジェントなワークスペースプラットフォームを提供するというCitrix Workspaceのコンセプトが、新型コロナ禍で顕在化したITインフラの課題を踏まえて改めて市場に評価されつつある」と手応えを語る。

國分俊宏 部長

 Citrix Workspaceは、アプリケーション/デスクトップ仮想化、DaaS、エンタープライズレベルのセキュアなデータ共有、統合的なエンドポイント管理、ユーザーの行動やアプリケーションの稼働状況のアナリティクス、アプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)、SD-WANといった製品群で構成されるマルチクラウド対応のソリューション。コロナ禍によるリモートワークの拡大で、従来の「境界型セキュリティ」の限界がより鮮明になり、社内外の全ての通信を検証する「ゼロトラストセキュリティ」が大きな注目を集めるようになったが、そうしたニーズにも応えるソリューションだという。

 國分部長は「優れたクラウドアプリケーションがたくさん出てきており、DX実現のためにはそうしたツールの活用は必須になってきている。しかし、導入するサービスが増えると、認証やアクセス管理をどうするか、IPSやWAF、CASBなどセキュリティ対策はどうするのか、端末はどう管理するのかなどをサービスごとに設計していくのは無理がある。Citrix Workspaceはそれらを統合・集約して管理できる」と強調する。認証連携からアプリ配信、MDMやMAMによる統合エンドポイント管理といった機能に加えて、これらの全ての領域をカバーするアナリティクス機能によってさまざまなSaaSをまたいだ包括的な監視機能を実現しているという。

 一方、エンドユーザー側にも、さまざまなアプリケーションを併用すると、操作に習熟して使いこなせるようになるまでに時間がかかる人も出てくるという課題がある。Citrix Workspaceは、エンドユーザーそれぞれの業務に紐づけてタスクが提示され、統一のUIから複数のアプリケーションを横断して必要な操作ができるマルチデバイス対応のポータル機能も提供する。同社はこれを「マイクロアプリ」と呼んでおり、「アナリティクス、AIを組み合わせた自動化なども可能で、エンドユーザーの生産性向上に大きく寄与する」(國分部長)と見ている。(本多和幸)