KDDIは12月3日、サブスクリプションビジネスの運営を支援するサービス群の提供を開始した。契約から請求までの一連のプロセスをカバーするシステムとサービスを提供する。通信サービス事業をはじめとするKDDI自身のビジネスのノウハウを反映したものだという。契約数やサービス数に応じた課金体系でスモールスタートも可能だ。同社ソリューション事業本部サービス企画開発本部の山田高・サービス戦略室長は「サブスク型ビジネスを始めるハードルを下げ、ユーザー企業には高付加価値業務に集中してもらうことが狙いだ」と話す。


 今回提供を開始したのは、「KDDI請求管理サポート」と「AXLGEAR」という二つのソリューション。KDDI請求管理サポートは、約6000万人の契約者(9月末現在)を誇るauなど同社のサブスクリプションビジネスの請求に関するバックヤード業務のノウハウ、システム、人的リソースを一体で外販する。具体的には請求代行や与信審査、督促、問い合わせ対応などの業務を網羅するサービスだ。

 一方、AXLGEARは、KDDIの関連会社(持分法適用会社)であるAXLBITが提供するサブスクリプション型サービスの管理・運用ソフトウェア。顧客ごとの契約や提供サービスの管理、料金計算などの機能を備える。もともとKDDIはAXLGEARのユーザーであり、今年2月にAXLBITと資本業務提携を結んでいる。この提携は法人顧客のリカーリングビジネスやサブスクリプションビジネスの支援が目的で、取り組みの第一弾として、KDDI請求管理サポートとAXLGEARをKDDIがワンストップで提供する体制を整備した形だ。

 サブスクリプションビジネスの市場規模は拡大基調にあり、SIerやISVのSaaS商材への注力傾向が強まっているのも、まさにその象徴だ。一方で、サブスクリプションビジネスの立ち上げにあたっては、契約や請求の管理など、新しい業務のための人員確保やシステム投資が大きなハードルになるケースも少なくない。KDDI請求管理サポートとAXLGEARを合わせて提案することで、こうした課題の解決を図る。

 KDDI請求管理サポートのユーザーは、エンドユーザーへの請求額の3~5%をKDDIに手数料として支払う。また、AXLGEARは月額料金30万円から利用でき、管理する契約数やサービスの数で料金が変動する。結果的に「ビジネスの立ち上げから拡大期まで無理なく使っていただけるレベニューシェア型の料金体系」(山田室長)を実現しているという。

 KDDIは、複数契約・サービスの合算やサービスの組み合わせによる値引き、期間限定の割引といった複雑なパターンの請求に対応したり、膨大な数の顧客と安定して取引をしてきた実績がある。山田室長は「サブスクリプションビジネスの管理に必要な機能を提供する製品は市場に増えているが、KDDIが使っているシステムやプロフェッショナルな人的リソース、ノウハウを一体で提供できるところに大きな強みがある」と差別化ポイントを強調する。今後は、エンドユーザーとのエンゲージメント強化のためのデータ分析基盤などの機能も拡充していく方針だ。(本多和幸)