米セールスフォース・ドットコムは12月1日(米国時間)、ビジネスチャットツール「Slack」を提供する米スラック・テクノロジーズを買収すると発表した。買収は現金と株式交換で行い、総額は約277億ドル(約2兆9000億円)。手続きはセールスフォースの2022年度第2四半期(21年5-7月)に完了する見込み。

 セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは買収契約にあたり、「セールスフォースとスラックは共に、エンタープライズソフトウェアの未来を形成し、オールデジタルでどこでも仕事ができる世界で、私たちの働き方を変えていく」とコメントを発表。同社の幅広い製品群にSlackを統合する方針を示している。スラックのスチュアート・バターフィールドCEOは買収後も事業の指揮を執る。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界的なリモートワーク需要により、チャットツールへのニーズは高まっているが、この市場ではマイクロソフトの「Teams」が急速にユーザー数を伸ばしており、スラックとの競合が色濃くなっていた。スラックは、SaaS専業の業務ソフトウェアベンダーとしては世界最大手のセールスフォースの傘下に入ることで、ビジネスアプリケーションの分野で存在感を大きく高めることができる。

 またセールフォースは、複数製品を連携させるハブ機能「Customer 360」のインターフェースとしてSlackを活用していくとしており、今後はセールスフォース製品とサードパーティーのシステムを接続するためのAPIとしてもSlackが用いられるとみられる。(日高 彰)