アドビは2月26日、電子サイン使用に関するグローバル調査の結果を発表した。コロナ禍で世界的に電子サインの需要が高まる中、日本の利用者数は増加しているものの、使用率は他国に比べて低い結果となった。小池晴子・デジタライゼーションマーケティング本部長は「日本は電子サインの安全性について様子見とも言える状況だ」と述べた。

小池晴子 本部長

 調査結果によると、過去半年間で電子サインの需要が増加していると答えた割合は、グローバルが60.1%で、日本が51.6%だった。過去2年間に電子サインを使用したことがあるとの回答は、フランスが67%と最も高く、米国66%、シンガポール59%、ドイツ36%と続いた。日本は18%にとどまった。

 電子サインの安全性では、グローバルは「安全だと思う」の割合が66.8%となった一方、日本は36.8%となった。電子サインのメリットで、法的拘束力を挙げる割合がグローバルより低くなったこともあり、小池本部長は「セキュリティの面でも法的な面でも、電子サインが信頼できるものであるという社会の合意が普及のポイントとなる」と述べた。

 ただ、パンデミック後も電子サインを使い続けるかどうかを聞いた質問では、「使い続ける」とした割合は、グローバルが76.3%、日本が59.5%となったことから、「世界中で加速した電子サインへの移行の潮流は、コロナ収束後も大きな揺り戻しはないと思われる」と解説した。

 国内のAdobe Signのユーザー数について「2019年から現在までに約4倍に伸び、20年に一気に加速した。日本でも、世界の潮流と同じような社会変化が起きていることが読み取れる」と説明した。

 調査は20年12月7日~10日、インターネットで実施した。日本や米国、欧州、日本を除くアジア太平洋地域で、過去1年間に電子サインを1回以上使用したことがある18歳以上の男女4662人を調査対象にした。過去2年間の使用に関する設問は、調査条件のスクリーニングを外しており、対象は6095人。(齋藤秀平)