決算処理や監査法人への対応を自動化、効率化するソフト開発のブラックラインは、販売ターゲットを上場企業全体に広げていく。これまでは上場企業のなかでも上位数百社を主な販売ターゲットとしてきたが、「より多くの国内企業のニーズに対応できる体制が整った」(ブラックライン日本法人の宮﨑盛光社長)ことからターゲット層を広げていく方向へとアクセルを踏み込む。

宮﨑盛光 社長

 SaaS方式でソフトを提供するブラックラインは、年4回ほどメジャーバージョンアップを行っている。世界中のユーザー企業3400社あまりからの要望を取りまとめ、毎回40~50カ所ほどの改良を加えている。国内でも導入企業が増えてきたことから今年3月に国内初の「ユーザー会」を発足し、第1回の会合には企業の担当者ら40人余りが参加している。今年2月にブラックライン日本法人トップに就任した宮﨑社長は、「国内ユーザーの要望に真摯に耳を傾ける」とし、集めた要望を米本国の開発チームに伝えていく。

 ライセンスの販売は代理店契約を結んでいるSAPジャパンを通じて行い、ユーザー先でのコンサルティングや導入、設定作業についてはセゾン情報システムズなど10社ほどのSIerと協業関係にある。また、ブラックラインの製品は監査法人との情報共有プラットフォームとしても機能することから、「国内の監査法人との連携もより密にしていく」と話す。

 グローバルでの昨年度(2020年12月期)売上高は、コロナ禍によるリモートワーク環境での決算や監査業務がオンラインで行えるブラックラインの“決算業務プラットフォーム”が世界的に高く評価されたことで、前年度比22%増の3億5000万ドル(約380億円)に伸びた。今年度は16~17%程度の売上増を見込んでいる。(安藤章司)