周辺サービスの強化を目指すピー・シー・エー(PCA)の戦略「PCA HUB構想」が本格始動する。3月1日に同構想の「中核」との位置づける新しいオンラインストレージサービス「PCA Hub eDOC(ピーシーエーハブイードック)」をリリースする。競合ベンダーの間で周辺サービスを強化する動きがある中、PCAはデータの一元管理を起点とした業務効率化を訴求する考えだ。
PCA Hub eDOCは、2021年10月12日でサポートを終了した文書管理ソフト「PCA eDOCX」の後継サービス。オンラインストレージサービスとして必要な機能や操作性、セキュリティ環境を備えていることに加え、「PCAクラウド」や「PCAサブスク」とのシームレスなデータ連携が可能な点が特徴だ。今年1月に施行された改正電子帳簿保存法にも対応する。
川村和弘 課長
川村和弘・事業戦略部プロダクトマーケティングセンター課長は「会計ソフトで扱うExcelファイルやCSVなどの構造化されたデータに加え、PDFなどの非構造化データも含めて生かす仕組みがこれからは必要になる」と説明し、PCA Hub eDOCについては「構造化データと非構造化データを一元管理できるプラットフォームとしてアピールしていく」と話す。
既に周辺サービスの強化を進めている競合ベンダーもあるが、自前でオンラインストレージを提供するケースは珍しいという。PCAは、自社製品と親和性の高いサービスとしてPCA Hub eDOCを提供することで、企業が保有する情報の管理や共有を促し、業務全体の効率化を推進する方針。他の製品と同じようにパートナー経由で販売を進め、1年間で2000社への導入を目指す。
価格は、ユーザー数やストレージ容量に応じて月額6380円(税込)からに設定した。川村課長は「手の届く価格で、これまで手が届きにくかった中小企業の業務効率化を支援していく。新しい働き方を支えるツールとして活用してもらいたい」と意気込んでいる。
PCAは今後、PCA HUB構想の実現に向けて、給与明細書や請求書の電子配信、AI-OCRによるデータの自動登録など、バックオフィス業務の課題を解決する他のサービスや機能について「PCA Hubシリーズ」としてリリースしていく予定。
(齋藤秀平)