脆弱性管理ツールを提供する米テナブルネットワークセキュリティの日本法人Tenable Network Security Japanは、製品ラインアップの拡充や新規パートナー開拓を図り顧客獲得を目指す。貴島直也・カントリーマネージャーは「国内企業の脆弱性対策はグローバルに比べ遅れている。近年、侵入された後の対処に焦点を当てた『検知』などのセキュリティ対策が重視されてきたが、侵入されないことが何より重要だ。脆弱性対策の有効性を啓蒙し利用を拡大させる」と意気込む。
貴島直也 カントリー マネージャー
同社は、脆弱性検知スキャナ「Nessus」、クラウド型脆弱性管理サービス「Tenable.io」を主力製品と位置付けているほか、「Active Directory(AD)」に潜むリスクを可視化する「Tenable.ad」やOTネットワーク環境に特化した「Tenable.ot」など各環境に合わせた製品を展開し、総合的な脆弱性対策を提供できる点を強みとしている。「最近は、ADを狙った攻撃が増加しているため、グローバルではTenable.adの需要が高まっている。国内でも注力商材の一つだ」(貴島カントリーマネージャー)という。
2月にはクラウド上のリソースやコンテナイメージの保護機能などを提供する開発者向け製品「Tenable.cs」を発売した。開発環境がクラウド化しているが、脆弱性管理を含めたセキュリティ対策が不十分なケースが多いため利用を促進する。
リセラーをはじめ、MSSP(マネージドセキュリティサービス事業者)といったパートナーとの連携強化や新規開拓にも取り組んでいる。パートナーランクは、シルバー、ゴールド、プラチナとなっており、貴島カントリーマネージャーは「現在は、日本法人のミッションとして上位ランクのパートナーを増やすことに取り組んでいる。(日本法人の)人員を増加するなど組織体制を強化し、パートナーサポートを充実させる」と述べた。
(岩田晃久)