インターネットの最前線の技術から、「感銘を呼ぶコンテンツが生まれる」。そのなかで、マクロメディアは「技術を提供しているだけ」と言う。そこから広がる創造性を生み出すのはユーザーだから。
米国本社から新しい技術を伝えるためのエバンジェリスト(伝道師)、また日本のニーズを米国にフィードバックする役目も担う。
フラッシュの技術は、視覚効果から新しいウェブコミュニケーションを広げ、さらに携帯電話にも採用された。インターネットの文化は、人々が楽しんだり、利便性を追求したりしながら進化していく。“プログラムとアート”という2つの要素を持ち合わせたマクロメディアが、デザイナーやクリエイターを通じて「本当に凄いことを創出している」と感じるとか。
インターネットに出会ったのは、大学でコンテンツ開発や、アプリケーションの研究をしていた1980年代後半。大学や企業で徐々に電子メールの利用が広がってきた頃だ。日に日に増えていくサイトの数は、いつしか1日では見きれないほどに増えていった。インターネットという新しい波に乗り、ネットの黎明期から共に歩んできた。
現在はブロードバンドや携帯電話の進化がもたらした、新たな成長期の中にいる。そのなかで「日本は世界一面白くてホットな市場」と見ている。デジタルメディアの可能性は尽きない。
「時代の脈を感じる」と語る静かな表情の内側に情熱が見える。
プロフィール
田中 章雄
(たなか あきお)カナダのブリティッシュコロンビア大学大学院卒。修士課程で都市学を専攻。都市経済と消費文化論をテーマにした論文でカナダ総督から金メダルを受賞。1996年から北米をベースにインターネットベンチャー設立に関わる。早くからウェブアプリケーションのテクノロジーとソリューションビジネスを開拓。モバイル・インターネットについて日本をはじめ、アジア、ヨーロッパ、北米各地でカンファレンスの講師なども務める。現在はマクロメディアで取締役CTOとして「マクロメディアフラッシュ」をはじめとする次世代インターネットを担うプロダクトを統括。