「相模原市で生まれて、相模原市を日本で一番IT化の進んだ自治体にしたい」という夢を胸に抱いている。
市議会議員を目指したのは、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)の子会社時代に取り組んでいたCMM(ソフトウェア能力成熟度モデル)を「行政でも導入できないか」という気持ちから。システム開発のプロジェクト管理手法を行政運営に応用しようと考えた。しかし、「固定化した組織、典型的な縦割り社会」を目の当たりにしてCMM導入の難しさを悟った。「IT化で先進的な自治体には必ずリーダーがいる。相模原市にも強烈なリーダーが必要」とも。
市議選のために退職する際には、上司や同僚から、「世の中そんなに甘いモノじゃない」と戒められたという。それでも、「電子自治体のいい形を作りたいという燃える熱意は動かなかった」。ITばかりが議会活動の重点ではないが、経歴から言っても、市議会最大会派の一員としてIT分野でのリーダーシップが期待されるだろう。
「相模原市を日本で一番のIT先進市に」という夢の実現のために、まずは「市の実情や市民の身の丈に合った、本当に求められるITから実現していかなければならない。地域IT化のキーワードは連携と共有」と語る。相模原市をより住みよい街にするため、「子供から年配の方まで、意識することなくITが使いこなせる社会になって、いろいろな人からメールが来て、情報交換できるよう」な社会作りに取り組んでいる。
プロフィール
阿部 善博
(あべ よしひろ)1970年、神奈川県相模原市出身。龍谷大学大学院西洋哲学専攻修了。98年、日産情報ネットワーク入社、VB/Oracleによるウィンドウズ系C/Sシステム開発に携わる。01年、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が日産情報ネットワークを買収し日本IBMアドバンストソリューションに。日本IBM公認のITスペシャリスト資格を取得。03年、「地方からの電子自治体推進」を掲げ、相模原市議会議員に初当選。