リクルートは、通信事業の立ち上げ期に、企業の通信ネットワーク構築やデータベースと連動したFAXサービスの提案に力を注いだ。その活動の中でマーケティングが企業を変えるという確信を得た。矛盾点の中から逆転の発想でビジネスチャンスが浮かび、新しいビジネスのアイデアが「雨後の筍のように伸びてきた」という。常に経営の視点を持ってビジネスに臨んできた。
それぞれのテーマごとにガイドと呼ばれる専門家が情報提供するサイト「オールアバウト」は、現在はユニークユーザー1000万人超、17分野約300テーマに成長。自然にガイドのファンが生まれ、また、約300人のガイドはオールアバウトをきっかけにして活躍の場を広げるチャンスも得ている。このガイドを「1万人、10万人に拡大させていく」と、マネージングの自信も示す。
オールアバウトのビジネスは、人々が「安心して利用できる情報源を創出する」ことが目的。今は「個人がインターネットで検索して多くの情報を得ることができるが、その情報は個人の主観で構成」されている場合も多い。信じるか信じないかは閲覧者の自己責任になる。
情報発信側の利益と受け取る側の情報が流通する場所で「社会的バランスをとる役割が必要」と、不公平感のない情報を提供する。オールアバウトは今年“第2ステージ”に入った。「既存の広告中心の事業の柱は変わらないが、新たなビジネス」も計画。「インターネットに留まらない」という事業展開が今後の姿だ。
プロフィール
江幡 哲也
(えばた てつや)1965年、神奈川県川崎市出身。87年、武蔵工業大学電機電子工学科卒業。同年、リクルート入社。情報通信ネットワーク事業部通信技術部ネットワークアーキテクトプランナー。89年、FAXネットワーク事業部営業部グループリーダー。94年、同事業部内にマーケティングデザイン室設立。グループマネジャー、責任者。95年、同事業部にキーマンズネットグループ開設。グループマネジャー。96年、キーマンズネット事業サービス開始。99年、経営企画室、次世代事業開発グループエグゼクティブマネジャー。00年6月、リクルート・アバウトドットコム・ジャパン設立。代表取締役社長兼CEOに就任。04年7月、オールアバウトに社名変更。