クレオがハガキ作成ソフトの市場投入に踏み切ろうとしていた90年。秋葉原電気街を中心に個人向けパッケージソフトを販売する営業担当として入社した。
90年秋、パソコン専門店への営業回りを行っているうちに、「パソコンソフトは横文字が多い。ショップに来店するお客さんの購入意欲をわかせるため、新しく発売するハガキ作成ソフトは親しみやすい名前のほうが良い」と考え、“まめに筆を執る”にちなんで「筆まめ」を提案、認められて名づけ親となった。
当時では、“ベストセラー”となる1万本の販売を発売後1年間で達成。以来、「筆まめ」はハガキ作成ソフト市場でトップレベルのソフトとして認知されている。
もともとは技術者希望だったが、92年にその願いがかない、個人向けソフトの新製品開発に従事する。パッケージソフトの販売は、パソコン市場の成熟とともに厳しい状況が続いている。「00年までは“出せば売れる”という時代だったが、いまはエンドユーザーの求めるニーズをつかむのが難しい」ためだ。
「ニーズをいかに発見するか、しかも、他社には真似のできない独自の機能をいかに盛り込むか」に全力を傾ける。「消費者にとって親しみやすいソフトにする」ことが商品化の最終目標。
「筆まめ」の住所録機能は、取引先のデータ管理にも活用されていることから、名刺OCR機能を追加した「筆まめ名刺読取」を市場に投入した。今後もユーザーにとって、“親しみやすい”製品開発を徹底していく。
プロフィール
児玉 修司
(こだま しゅうじ)1969年3月18日、大分県生まれ。90年、九州電子計算機専門学校卒業後、クレオに入社し、秋葉原営業を担当。92年、「筆まめ」以外のクレオ製品の企画開発に従事する。03年、「筆まめ」のプロジェクトマネージャに就任。05年、筆まめサービス事業部企画推進部長に就任し、マーケティングとプロモーションも兼務する。