物腰がソフトで二枚目。日本システムウエア(NSW)社内では「愛されキャラ」と呼ばれる存在。ネットワーク関連機器のインフラ回りを利用した新規事業を企画する担当だが、「最もエンドユーザーに近いところにいる営業担当者と一緒に企画を立てる」。
独断専行では、高い収益につながる企画は生まれないと考えるからだ。「技術力云々より、部門が連携し、それを組み合わせることで新しいことができる」と肝に銘じている。
そんな彼が、最近生み出した事業が、今年7月に開始したASP型のVPNサービス「NSW-BizVPNサービス」。拠点ごとのVPNルータやグローバルIPが不要で、安価に双方向通信ができる画期的な仕組みだ。ネットワーク機器メーカーなどと企画したサービスだが「最終的には、自社の営業マンからゴーサインが出てはじめて事業化する決断をした」と、あくまで仲間の判断を大事にする。
NSWでは、受託ソフトウェア開発など、どちらかというと地味な業務がメーン。そのなかにあって「好きなことをさせてもらっている」。社内を歩けば、社員から彼に冗談交じりの声がかかる。人気の高さが見てとれる。
学生時代は「化学が得意」で原子力工学を専攻した。だが、在学中に原子力発電所の事故が相次ぎ、別方面に進むことを決意。「コンピュータを利用した商売か、スタイリストになるか」と悩んだ末、前者を選択した。
週末は、サーフィンに興じる。今も現役の“波乗り野郎”という父親の影響だ。公私の充実が良いアイデアと人柄を生むのだろう。
プロフィール
竹村 大助
(たけむら だいすけ)1977年、東京都世田谷区生まれ、28歳。95年に東海大学原子力工学科を3年生で中退し、ウェブ系受託開発ベンチャー企業のDHQに入社し、開発を担当。01年12月、知り合いを通じて日本システムウエアに中途入社し、SEと企業に同行するネットワーク関連のセールスサポートを担当。05年4月、現在の主任に昇格。趣味はサーフィン。週末は湘南海岸や千葉県の海に出かける。座右の銘は「努力、情熱」。スニーカーを60足以上も保有するなど、身に付けるモノへのこだわりは強い。