NTTデータ(当時、NTTデータ通信)が独自開発の国産ERP(統合基幹業務システム)である「SCAW(スコー)」の販売を開始した当時(1993年)から、このビジネスに深く関わり続けている。
このERPに開発者としても参画した“創始者”の1人だ。15年近く経っても「やるべきことがいっぱいあり、楽しさ3、苦しさ7」だとか。笑顔が絶えない語り口調に親近感を覚える。
その「SCAW」だが、2年前までは「人間に例えると“内向的”だった」という。NTTデータの地域グループ会社を中心にした販売体制を敷いていたためだ。この状況を一変させ、「他の競合ERPができていることを実現する」と、“外向的”に仕向け、販売チャネル戦略を打ち立てたのは、この人の功績だ。
「最大の敵は」と問うと、「(富士通のERP)GLOVIAだ」と答えた。同ERPに比べて、「SCAWは知名度が低い」からで、「内部統制」などをテーマに全国でセミナーを開催し、認知度を高めることに力を注いでいる。「他人の責任にするのが嫌い」で、自ら先導し事業全体を盛り上げる役を買って出る。
「SCAW事業の上司には、アイデアや提案を受け入れる素地がある。だから若い人材も豊富」と、働き甲斐のある仕事場のようだ。
「マイライフはSCAW」と、迷わずに言えてしまう。この“乗り”は、「阿波踊り」が盛んな東京・高円寺育ちだからだろうか…。
「リズムに乗るのが好き」と、ロックやクラシックなど、ジャンルを問わず、頻繁に「ライブ」を聴きに行っている。
プロフィール
田野 周
(たの めぐる)東京都出身。1968年11月生まれ、38歳。92年3月、青山学院大学経済学部卒業。同年4月、NTTデータ通信(現、NTTデータ)に入社し、戦略的情報システムを担当する「SIS推進本部」に所属。開発者として「SCAW」の開発に携わる。「SCAW」がNTTデータシステムズに移管した際、同社へ出向。04年4月、チャネル戦略の本格展開を機に、現職に就いた。