韓国ハンドリームネットは、韓国L2スイッチ市場で30%近いシェアを獲得しており、サムスン電子やLG-エリクソンなど韓国の有力なメーカーに対してOEM(相手ブランドによる製品供給)の実績をもっている。セキュリティスイッチメーカーとして、世界トップクラスといっても過言ではない同社が、このほどディストリビュータのネットワールドと国内総代理店契約を締結。日本市場で製品拡販の本格化を図る体制を整えた。いかに事業を拡大できるか。そのカギは、ハンドリームネット日本支社長の琴正在が握っている。
同社の日本進出は09年で、まだ日が浅いが、琴自身は「日本をヘッドオフィスにしたい」と意欲を燃やしている。日本市場では品質面などの要求水準が高く、そのニーズに応えた製品を投入すれば世界でも通用すると捉えているからだ。日本をヘッドオフィスにして、韓国を開発拠点、中国やインドなどでの事業拡大をイメージしている。
設立当初は、日本でビジネスを手がけるノウハウがなく、少し苦労したようだ。ネットワールドと代理店契約を結ぶ話がもち上がった時は、「次のステージに上がることができる」と確信。「二人三脚で浸透させたい」という。
日本支社の設立に伴って来日し、居を構えてから2年が経過した。日本と韓国の文化の違いに戸惑いはなかったかと尋ねたら、「日本には18年前にも来たことがあって、そんなに違和感はない」という答えが返ってきた。日本食も口に合うようで「生活には不自由していない」とか。ただ、現在は家族と離れての単身赴任で、「少し寂しい」とも。その寂しさを乗り越え、「日本と韓国のすぐれた点を組み合わせたベンダーとして名を馳せる」ことを夢みている。(文中敬称略)
プロフィール
1994年、Cosmos Network System入社。営業担当者として業務に従事。00年、韓国でハンドリームネットを共同設立、代表理事に就任する。09年、ハンドリームネット日本支社を設立、日本支社長に就任、10年に日本支社を法人化。現在に至る。