企業のITインフラがクラウド化し、スマートフォンの普及によってリモートアクセスの需要が急増する。大塚健一郎は、「ネットワーク業界にとって、10年に一度の大きな変化」とみる。SSLアプライアンスを開発・製造する米国ベンダーのアレイ・ネットワークス日本法人でプロダクトマーケティングに携わる大塚は、「自分がその変化の真ん中にいることに、仕事のやり甲斐を感じている」と張り切る。
大学で法律を学んだ大塚は、2010年にアレイ・ネットワークスに入社する以前、数社の外資系IT機器メーカーや販売代理店で技術サポートとマーケティング分野で経験を積んできた。アレイ・ネットワークスについては「電話やメールで、本社とやりとりする機会が多い。その際、向こうはこちらの言い分をちゃんと聞いてくれる」と、オープンマインドの社風を評価している。
彼が全力で取り組んでいるのは、製品の構成や価格を日本の販売代理店により分かりやすく伝えることだ。「米国では直接販売が多いので、価格表の見栄えなどをあまり重視しない。しかし、間接販売が主流の日本では、代理店向けの価格表のレイアウトや、どのレートで日本円の価格を付けるかといったことがとても重要」と、米国と日本の違いを説明する。
大塚は、外資系の企業で長年働いていることもあって、各国市場の情勢に精通しているだけでなく、「自分が日本人であることを意識しなくなった」という。「アレイ・ネットワークスに入社してから、相手に英語でメールを送るときに、ごく自然に相手の名前に英文字で『san』をつけなくなった」と、無意識のうちに国際人になっていたそうだ。(文中敬称略)
プロフィール
大塚 健一郎
(おおつか けんいちろう)
1998年に法政大学法学部法律学科を卒業後、司法試験を目指すかたわら、派遣契約社員としてテクニカルサポートやネットワークエンジニア(NE)として勤務。2003年から、ネットワーク機器管理製品を開発・販売するルートレック・ネットワークスをはじめ、外資系のIT製品メーカーや販売代理店で技術職/マーケティングを担当。2010年、アレイ・ネットワークスに入社。