自信家である。生粋のマーケッターを自認する。内野彰は大学卒業後、NTTに入社し、そこでマーケティングのイロハを学んだ。「NTTで培った経験が今に生きている」と語る。
新人に課されたのはISDNの販売だった。同期入社組がどぶ板営業で売り歩くなか、内野は見込みのあるインターネット利用者をターゲティングし、ダイレクトメールを送った。「外へ出なくても、申し込みの電話がじゃんじゃんかかってきた。今思えば、当時からマーケティングに対する意識が高かった」。
3年後、本社に配属され、NTTとマイクロソフト(現・日本マイクロソフト)が共同で立ち上げたWINE(Windows and ISDN Network)プロジェクトに関わった。WINEキット135と呼ばれるパッケージを中小企業向けに販売。「日本で2番目に多く売った」と豪語する。 マイクロソフトを経て、自信を深めた内野は日本で新興の外資系データベースベンダーでセールス&マーケティングの責任者を務めた。大手ベンダーから新興ベンダーへの転職。苦労は少なくなかった。「障害の対応などでしんどいこともあったが、実力が身についた」。
現在、マーケティング本部の部長を務めるネットスイートも、米国に本社を置く新興のクラウドベンダーだ。今年6月末に新オフィスに引っ越した。心機一転、日本市場のさらなる開拓に意気込みをみせている。
「将来は日本にとどまらず、アジアマーケットをターゲットに自分の手で事業を立ち上げたい」。すでに次を見据えて行動を起こそうとしている。(文中敬称略)
プロフィール
内野 彰
(うちの あきら)1996年NTT入社。サービス企画に従事。2000年、マイクロソフトに入社し、ユニファイドコミュニケーションやWindows Serverなどのプロダクトマーケティング、VoIPを含めたコミュニケーションエリアのビジネス開発に携わった。その後、外資系データベースベンダー、ソフトウェア開発会社の営業・マーケティング責任者を経て、2008年から現職。