飾らない人柄である。雨宮恵子は、インタビュー中に何度も屈託のない笑顔を見せてくれた。パッケージソフトウェア「intra-mart」を開発・販売するNTTデータ イントラマートで、中山義人社長の秘書を務めるかたわら、イベントの企画・運営や広報業務などに携わっている。
入社した当時は、営業事務を担当していた。しかし、定型業務の繰り返し。「大事な仕事ではあるが、パートナー企業や顧客ともっと接点のある幅広い仕事をしたいと思った。社長に要望を伝えたら、その数日後、秘書業務を担当することになった」。その後、マーケティング業務を兼務して現在に至っている。
中山社長は、秘書の雨宮に要点しか伝えない。阿吽の呼吸で、意向を酌み取ることが求められる。「最初は失敗も多かった」。現在は、秘書として高い信任を得ている。経験の積み重ねに加えて、その人柄によるものだろう。
社内には、雨宮のファンクラブが存在するそうである。クラブのメンバーは40代以上の既婚の男性社員で、40代の中山社長もその一人。社外のパートナー企業にもファンが広がりつつあるという。中堅社員を惹きつける魅力はどこにあるのかと問うと、「どんなに忙しくても、きちんと話を聞くことを心がけているからではないでしょうか」と、少し間を置いて答えた。
学生時代は、洋服店などの接客のアルバイトをしていた。大学卒業後は、保険会社の営業に従事。「顧客とのやりとりは楽しいけれど、結果が常に求められる厳しい世界」。結婚を機に退職を決めた。NTTデータ イントラマートに入社したのは2004年。提案能力を磨き、マーケッターとして成長することが大きな目標だ。(文中敬称略)
プロフィール
(あめみや けいこ)1977年、東京都生まれ。保険会社の営業を経て、2004年からNTTデータイントラマートに勤務。営業事務に従事した後、2009年からマーケティンググループに所属。イベント関連・広報部門を担当し、社長秘書を兼務する。