脇森浩志は、大手SIerの日本ユニシスでデータサイエンティストを務めている。FacebookやTwitterなど、SNSの分析エンジンを活用して、クライアントである通販事業者やメーカーの顧客、つまり「お客様のお客様」は何を考えているのか、その本音を、ウェブ上の膨大な量のデータから引き出す。
日本ユニシスに入社したのは2003年。クライアントを訪問して分析シナリオを説明するものの、「うちの仕事には役に立たない」といわれたりして、先方の心に響く提案ができない。そこで、中小企業診断士の資格を取得し、現場力を身につけようと決心した。実務研修で、町の和菓子屋などを訪ねた。あんこのにおいが漂う現場で職人が黙々と和菓子づくりにいそしむ姿を見て、中小・零細企業の経営の泥臭さを実感した。「中小企業はおもしろい。企業全体の仕組みがリアルに伝わってきて、わくわくする」と、熱っぽく話す。
日本ユニシスがデータ分析を提案するのは、大手企業がメインだが、その子会社や取引先は中小企業が多い。だから、脇森は常に中小企業のニーズを念頭に置いて、データ分析の実用性を追求する。クライアントの満足度を高めるためだ。日常の業務は、試行錯誤の繰り返し。つい先日、途中で分析方法を何回も変えた案件が無事に着地した。これまで1回100万円を使ってアンケート調査を実施していたクライアントに対して、SNS分析によって、コストを削減するだけでなく、顧客のフランクな意見が入手できるようにした。
休日の日課は、1歳の娘のオムツ交換。脇森は、現場の泥臭さを知っているからこそ、データ分析の第一線でスマートに活躍できているのだ。(文中敬称略)
プロフィール
脇森 浩志
脇森 浩志(わきもり ひろし)
慶應義塾大学で経営工学を学ぶ。大学卒業後の2003年、日本ユニシスに入社。テキストマイニングをはじめ、情報分析・検索技術の実業務への適用に携わる。現在、文書マイニングシステムなど、分析ツールの開発と適用を担当。中小企業診断士の資格をもつ。