「社長は楽しいかって聞かれるけど、地味でつまらない」。プレインワークスで起業は2度目。起業が好きなのかと思いきや、社長でも会社員でも関係ないという。ただ、「人に何かを決められるのはストレスになる。最終決定は自分でしたい」。社長向きの性格であることは確かだ。
新卒で入社した会社では、インターネット広告の営業として、何度も表彰を受けるなどの活躍をしたが満足することなく、すぐに起業してしまう。「独立したかったわけではないが、自分の頭で考えて行動するためには必要な選択だった」。
もの心がついた頃にバブル経済が破綻。一流企業で働いていた人がリストラされて、行き場を失っていた。その状況を目の当たりにして、平野健児は思った。「自分で考える力をつけなければいけない。何かのせいにしても、どうにもならない」。バブル崩壊が原点となった。
平野が、いまモノ申したいのが“キュレーション”だ。「興味がないのに、多くの人が読んでいるとか、流行っているとかで、記事を勧められてもまったくうれしくない。攻略本を見ながらゲームをやるようなもの。自分で考えるから楽しいのではないのか」。プレインワークスを起業して以来、営業活動や就職活動に活用できる企業情報提供アプリ「NOKIZAL」の開発に取り組んできた。キュレーション機能はあえて提供していない。利用者が自分で考えて行動するための情報提供を目指しているからだ。
社長業を地味でつまらないというが、最近始めたゴルフに会社経営のおもしろさを見出した。「ゴルフも会社も、ミスと自分の判断の繰り返し。ミスをいかにリカバリするかが醍醐味」。社長にはこだわらないが、ゴルフは続けたいと考えている。(文中敬称略)
プロフィール
平野 健児
平野 健児(ひらの けんじ)
1980年生まれ。神戸大学文学部卒。2003年、サイバーエージェント入社。2年間営業を経験して起業。11年にブレインパッドに合流。14年8月プレインワークスを設立。約1年間、企業情報のデータベース化を進め、15年4月に企業情報ダッシュボードアプリ「NOKIZAL(ノキザル)」をリリース。趣味はゴルフ。