富士通製品の運用保守やインテグレーションだけではなく、ICTのトータルサービスベンダーとして独自の成長も追求してきた近年の富士通エフサスにあって、その動きを最前線に立ってけん引してきた。入社以来、SEとして積み上げてきた技術力と課題解決力、そして顧客との信頼関係が評価され、同社がマルチベンダー化に舵を切ったタイミングで、同ビジネスの企画・販売推進部門に異動し、新たなチャレンジを始めることになった。
有名ベンダーの製品を提供しさえすれば顧客が喜んでくれるわけではない。従来守ってきた“富士通クオリティ”と同等以上の価値を顧客側に提供するミッションがあるなかで、時にベンダー側にシビアな要求をし、ハードな折衝もこなさねばならない。しかし本人は、「もともと販売推進の仕事にも興味があったし、SEでこんなによく喋る人間もいないので、私に向いている仕事だと思った」とあっけらかんとしたもの。期待通り、事業拡大に貢献した。
こうした実績が認められ、今年4月にはマネージャーに昇進した。富士通エフサスでは、女性管理職はまだまだ少数派だ。「偉くなりたかったかといわれると別にそうでもないけど、同じ女性が頑張っている姿をみて勇気づけられることは私自身あったし、女性社員に対して、女性のマネージャーだからこそフォローできることはやはりある」。キャリアのあり方は人それぞれでも、女性社員がさまざまなライフイベントとトレードオフのようなかたちで目の前にあるチャンスを諦めなければならないような環境にはしたくないという思いがある。
「誰かに求められる存在になりたい」が行動原理だという。ビジネスでも、相手が望むことを先回りして理解し、行動できるように努めてきた。そんな利他の精神故か、実績は「バリキャリ」だが、気負いを感じさせない、不思議な雰囲気をもつ人だ。(敬称略)
プロフィール
中川美穂
(なかがわ みほ)
神奈川県横浜市生まれ。広島県内の高校・大学を卒業し、社会人になってからは一貫して神奈川県在住。2002年4月に富士通サポートアンドサービス(現在の富士通エフサス)入社。ネットワークビジネス本部SI部公共システム課、サービスビジネス本部LCMサービス技術統括部プラットフォーム技術部、同本部マルチベンダービジネス支援センターなどを経て、今年4月より現職。