
ソフトウェア開発の技術進化は目覚ましいものがある。DockerやGitLabなど、今ではメジャーになった技術も、「最初の頃は、誰が、どのような目的でつくった技術なのか理解できずに悶々とした」と、荒井裕貴は自身を振り返る。
ソフト開発で世界をリードする米シリコンバレーの技術者たちのブログやソーシャルメディアを眺めながら、ある日、「彼らの思考や行動にパターンがある」ことに気づく。
それは一貫したソフト開発の生産性の向上、システム運用の効率化だった。自動車に例えれば、無駄を徹底的に省いた「トヨタ生産方式」。同方式をベースに米国で体系化された「リーン生産方式」とソフト開発は通じるものがある。
この気づきによって、荒井のソフト開発に対する姿勢も大きく変わった。目の輝きにも違いが現れたのか、客先常駐先で知り合ったクリエーションラインから声がかかり転職。サーバーの構成管理を効率化・自動化するフレームワーク「Chef(シェフ)」を主に担当することになる。
ヤフーのサーバー運用にChefを適用するプロジェクトでは、運用効率を大幅に高めることに成功。直近では約5万3000台のサーバーをChefで運用管理するまでに至る。
米国発の技術に注目が集まるソフト開発業界だが、荒井は「国内のソフト開発が遅れているとは思わない」と感じている。ソフト開発も元を辿れば、日本が強みとする生産革新にルーツを求めることができるからだ。生産性の向上、運用の効率化を愚直に追求していくことで、「日本のソフト開発の価値をより一段と高められる」と話す。(敬称略)
プロフィール
荒井裕貴
(あらい ひろき)
1988年、東京都生まれ。2010年、駿河台大学法学部卒業。同年、システム会社に入社。15年、クリエーションライン入社。構成管理フレームワーク「Chef(シェフ)」を活用したシステム構築を主に担当している。