22%Off
パソコン1
5年償却/50万円を39万円に
「クラウド/SaaS」時代を見越したコスト削減策は、ERPなど基幹業務系システムのサーバーシステムに限らない。パソコンなどクライアント端末でも「クラウド/SaaS」活用のコスト削減策が目白押しだ。
パソコンは、端末数が多く、しかも複数の場所に分散していることから、コストが膨らみがちだ。例えば、5万円で購入したパソコンの場合、5年償却で換算すると、情報システム部門に所属する運用保守担当者の人件費などを含め、1台当たり概ね25~50万円かかるともいわれている。
このため、パソコンにインストールされたアプリケーションソフトウェアを仮想化し、サーバーに収容する方式の「デスクトップの仮想化」や「シンクライアント化」が脚光を浴びている。
この方式をさらに一歩進めたのが、仮想化デスクトップ環境を「クラウド/SaaS」型で提供するサービスであるシンクライアントシステム「デスクトップのサービス化(DaaS)」だ。DaaS市場にはすでに、丸紅やソフトバンクテレコムなどが参入している。
丸紅が、今年7月に開始したDaaS「VirtuaTop(バーチャトップ)」は、丸紅のデータセンター(DC)をベースに提供するマルチテナント型のサービスだ。複数のユーザー企業に向けたサービス提供を前提としているため、その分、価格を抑えられる。最小構成で1デスクトップあたり月額6500円からで、既存のパソコン端末の維持費はもちろん、初期費用がかさむシンクライアントに比べても導入しやすくなっている。
5年間の単純計算でパソコン1台当たり39万円ほどが必要だが、従業員の在宅勤務やモバイル端末としての利用など、従来のパソコン端末では難しかったアプリケーション活用の場や、その利用方法が広がる。利用環境などを含めトータルでみれば「付加価値の高いサービス」(大橋一登・ITソリューションビジネス部ソリューションビジネス開発チーム長)と、丸紅では導入案件の増加に自信を示している。
グリーンITでOff
パソコン2&グリーンIT
ネットブックとvProを駆使
丸紅の子会社である丸紅インフォテックでは、クライアント端末として小型・低価格のネットブックを使ったシンクライアントシステムの販売に力を入れている。ネットブックを導入すれば、従来のノートパソコンに比べて低価格でシステム構築が可能となるため、導入コストの低さをアピールする。
クライアント端末を小型化・省電力化することは、環境に配慮するユーザー企業にもフィットする。ダイワボウ情報システムは昨年7月から「グリーンIT」を掲げ、対応製品の販売に本格的に乗り出した。「グリーンIT」対応の機器を導入することで、ITシステム全体の省電力化を実現し、それを使用する企業のイメージ向上にもつながるという。
同社では「グリーンIT」製品として「低消費電力クライアントPC・サーバー」「Web会議システム」の販売を本格化している。低消費電力パソコンやサーバー販売では、電力効率に優れたCPU「vProテクノロジー」の導入と販売でインテルと手を組んだ。電力消費の低減はもちろん、外出先からのスイッチのオン・オフが可能。こうした高い電源管理機能をアピールする。
「グリーンIT」に関連して、今後は引き合いが強くなっていくと予想されるLED(発光ダイオード)の照明器具の取り扱いも増やしていく方針だ。また、Web会議システムは、会議に伴う出張旅費を削減できることを売り込む。具体的には、数あるWeb会議システムのなかで米シスコシステムズの「WebEx(ウェブエックス)」を選択し、販売していく。
ただし、現段階の足元をみると、ユーザー企業のIT機器に対する低価格志向は根強い。ダイワボウ情報システムの佐藤禎史・販売推進本部販売推進部国内PCグループ兼モニタ・プリンタグループマネージャーは、「まだまだ厳しい状況が続く」との見方を示している。導入コストを削減することを重要視し、運用保守のランニングコストまで目が向いてないユーザー企業が多く、「購買マインドまでつながっていない」(同社の猪狩司・販売推進本部販売推進部長兼マーケティング部長)と、ハードウェア需要の停滞状況は続くとみている。
この傾向は、地方にいくほど顕著で、ユーザー企業だけでなくSIerや販社なども「グリーンIT」に対する理解が遅れている。
このため、ダイワボウ情報システムでは「グリーンIT」をテーマにした機器展示会を地方で積極的に開催。「グリーンIT」を訴求する取引先側のメリットを説明し、実際にIT機器に触れてもらうことで需要を刺激し、売り上げの拡大を目指す考えだ。「企業コスト削減の取り組みは、当社にとってもビジネスとして大きな狙い目になる」(猪狩部長)と、掘り起こしに懸命だ。
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