トレンドマイクロ
中堅・中小の市場に伸びしろ 手離れのいいアプライアンスを提供
デジタルアーツと同様に、SMBの市場を狙うのがトレンドマイクロ(エバ・チェン社長兼CEO)だ。同社では「SMBや学校では、ネットワークがいまだ整備されていないところも多い。また、URLフィルタリングソフトはプロキシであることから、設定が必要とされるが、そういったことを専門に行える人材がいない」(プロダクトマーケティング課の瀬戸弘和シニアマネージャー)と、課題を指摘する。同社が独自にアンケートをとったところ、SMBではURLフィルタリングソフトの導入意欲は高いものの、扱える人材がいないなど技術的な障壁があって実現できないことが分かった。
一方、URLフィルタリングソフト自体の問題として「URLフィルタリングソフトでインターネット上のリスクのすべてを防御できるかといえば、けっしてそうではない」(瀬戸シニアマネージャー)と話す。URLフィルタリングでは、一般に信頼性が高いと思われる金融機関のサイトであっても、正規のサイトなのか、改ざんされた危険なサイトなのかを判別できないからだ。
トレンドマイクロは、URLフィルタリングソフト「InterScan Web Manager(インタースキャン ウェブマネージャー)」を販売している。グループ会社で40%以上の国内シェアをもつネットスターのフィルタリングデータベース(DB)を採用した製品で、日本固有のニーズに対応したDBの精度の高さに加え、そのウェブサイトが安全か危険かをウェブサーバーの評価情報で判断する「Webレピュテーション」技術を併用することで、危険と判断されたサイトをブロックし、改ざんサイトやスパイウェアの侵入を防ぐ。これはURLフィルタリングソフトでは判別できない正規サイトの改ざんにも効力を発揮する。
トレンドマイクロでは、これまで大企業に向けてのURLフィルタリングソフトの導入実績が多かったが、SMB向けとしてケーブルをつなげばすぐ使える透過ブリッジ型のアプライアンス「InterScan WebManager Lite(インタースキャン ウェブマネージャー ライト)」をリリースした。価格は32万円からと安価でプロキシの設定をしなくても、手離れよく導入でき、URLフィルタリングで必要以上にウェブサイトを制限をしなくても、会社のポリシー業務効率を保ったままセキュリティを実現できる。
「同Lite」は、文教市場に強く、これまで別のベンダー製品を取り扱っていたSIerも取り扱う方向で話が進んでいるという。また法人向けのダイレクトストアでも販売を行っている。
ALSI
受注、年ごとに確実に増加 次なる商機はログ活用
URLフィルタリングメーカーの大手、アルプスシステムインテグレーション(ALSI、麻地男社長)は「情報漏えいもそうだが、経費削減といった切り口でも提案を行っている。例えば会社のネットワークを介してストリーミング配信の野球を見るとすると、帯域を非常に多く使う。これを遮断することで、使用帯域の削減につながる」(同社の松下綾子・営業統括部特販営業課課長)という。受注は増加を続けている。同社は「情報を守って活用する」という一連のソリューションを「InterSafe(インターセーフ)シリーズ」として提供している。
ユーザーのなかにはSMBも多いそうだが、中小企業にURLフィルタリングが未導入であることが多いとする同業他社の見解については、「中小企業には専門の担当者がいないだけに、それも一理ある」(松下課長)とみている。
同社はサーバー版「InterSafe WebFilter(インターセーフ ウェブフィルター)」を大規模ユーザーに提供するとともに、中小・零細企業に対しては業界初のSaaS/ASP対応版「InterSafe CATS(インターセーフ キャッツ)」を提案している。サーバレスであり、5クライアントから利用できることから、インターネット利用環境さえあれば、すぐに使えるサービスだ。また、他社との協業によるアプライアンス製品の提供など、「さまざまな角度からの製品供給の提案を行っている」(セキュリティソリューション部事業推進課マーケティンググループの清水康雄氏)と販売活動の様子を語る。
今後の商機については、「一つには『ログの活用』がある。フィルタリングには、不適切なサイトを遮断する予防対策機能がある。それだけではなく、監査するときにログを取ることによるセキュリティの事後対策も必要なため、「LogLyzer(ログライザー)」というオプション機能を無償で提供している。
この機能により、ネット利用者の誰がどういう検索を行っているかを管理することができる。そこから、インターネット利用が多い端末や、検索キーワードの頻出度など多角的な分析が可能となり、『資産の見える化』が実現できる」(松下課長)と説明する。
[次のページ]