日本IBM
SDSとフラッシュに積極投資

日本IBM
村田実
部長 日本IBMでは、ストレージ関連事業でSDSとフラッシュに優位性があると判断している。この二つの分野では、ワールドワイドでトップシェアを誇っており、研究開発などにかける投資額がそれぞれ1000億円。また、同社はクラウドサービス「IBM SoftLayer」をもっている。さらに、テープストレージも提供している。村田実・IBMシステムズ・ハードウェア事業本部ストレージセールス事業部ビジネス開発営業部部長は、「ハードウェア単体、ソフトウェアとハードウェア、クラウドサービスとハードウェアなど、さまざまな角度でストレージソリューションを提供できる」とアピールする。
SDS関連では、ソフトウェア製品群「IBM Spectrum Storage」を提供。今年6月には、ストレージの稼働状況を監視することができるSaaS「Spectrum Control Storage Insights」も開始している。フラッシュでは、オールフラッシュアレイ「IBM FlashSystem」を、ワールドワイドで2100台以上販売して他社をリードしている。クラウド関連では、SaaSを提供するための基盤としてSoftLayerがある。テープストレージでは、市場の成熟によって参入メーカーが減少しているものの一部で根強い人気があり、低コストで長期的にデータを保存しておきたいというニーズに応えている。
汎用x86サーバーをレノボに売却したことで、「サーバー×ストレージ」というビジネスが縮小しているとの見方があるが、「ストレージを前面に押し出したビジネスが実現できる。販売パートナーにとっては、他社のサーバーと当社のストレージを柔軟に組み合わせて提供することもできる」とのことだ。
日本ヒューレット・パッカード
「3PAR」ブランドを広める

日本ヒューレット・パッカード
瀧澤一彦
本部長 ストレージ関連事業の強化に向けて米3PARを買収した米ヒューレット・パッカード。その買収から5年ほどが経過し、日本ヒューレット・パッカードでは、3PAR製品の販売が伸びている。瀧澤一彦・エンタープライズグループ事業統括HPストレージ事業統括本部ストレージマーケティング本部本部長は、「徐々にだが、販売パートナー経由のビジネスが拡大している」と手応えを感じている。
従来からもつ「HP MSAストレージ」の販社に対して3PAR製品を中心とした勉強会などを開催することで、MSAがエントリーモデル、3PARがミッドレンジモデルという位置づけが確立しつつある。ただ、3PAR製品はパフォーマンスや自律性、効率性の高さがある一方で、管理が容易という点がまだ浸透していないという。そのため、滝澤本部長は「さまざまな機能を搭載しながらも簡単に運用できるという強みを訴えていく」との考えを示している。
直近では、3PARで新しいASICを搭載した新製品を発表した。「ミッドレンジのなかでも、これまでより少し上のモデルと位置づけて、中堅企業を対象に新規顧客を開拓していく」としている。加えて、直販部隊が案件を獲得し、その成功事例を販社に伝えるなど、販社が3PARを拡販しやすい環境をさらに整えていく方針だ。
デル
「サーバーサイド・フラッシュ」に重点

デル
小島由理夫
本部長 デルは、サーバーとストレージの両方をもつ強みを生かして、サーバーにフラッシュアレイを直結する「サーバーサイド・フラッシュ」に重点を置いた提案を積極的に進めている。小島由理夫・ストレージ・ビジネス本部本部長は、「最近では、オールフラッシュアレイが話題になっている。しかし、ストレージ側の高速化だけを追求しても、ネットワークがネックになって、高速処理できないケースもある。また、オールフラッシュアレイは価格が高い」と、サーバー側の処理を視野に入れながら、リーズナブルなコストを考慮することがユーザー企業のニーズに対応できることを示唆している。
今年は、第2四半期(1~6月)の時点で販社経由でのストレージ販売比率が全体の40%に達した。これは、VDI関連の案件に対して、ウェブスケール・コンバージド・インフラストラクチャ「Dell XC」シリーズが合致したためだ。小島本部長は、「特定の用途や分野に強い販売パートナーが、新規案件を獲得してくれた」という。デル製品を使って特定の用途や分野で新しい製品・サービスを提供することを継続しながら、今後はサーバーサイド・フラッシュを訴えていく。製品拡販に向けて、ストレージに特化した販社向け支援の策定も視野に入れている。
日本オラクル
データ管理に適したストレージを提供

日本オラクル
山本恭典
執行役員 日本オラクルは、「データ管理」を切り口に、ストレージ機器を提供することに重きを置いて、他社との差異化を図っている。主力製品であり、市場でトップシェアを維持し続けているRDBMS「Oracle Database」を最大限に生かして、ストレージビジネスを拡大していく。クラウド・テクノロジー事業統括クラウド・テクノロジー製品戦略統括本部長兼クラウド・システム事業統括ソリューション・プロダクト統括本部長の山本恭典執行役員は、「Oracle Databaseを導入しているユーザー企業に対して、最適なストレージ機器として提案している」という。
同社の戦略はこうだ。まず、Oracle Databaseのユーザー企業に「Oracle Exadata Database Machine」などサーバー機能をもつ垂直統合型システムを提供。Oracle Exadataで管理しているデータをストレージ機器「Oracle ZFS Storage Appliance」で、さらに最適に管理できることを提案している。この提案によって、金融機関や流通、製造業、公共機関などで大型案件を獲得している。
山本執行役員は、「ビジネスは極めて順調。今年度(2016年5月期)は、売上成長率として1.5~2倍は固い」と自信をみせている。
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