Special Feature
NFV 変わるネットワーク機器ビジネス ソフトウェア・サービス化が進む
2015/10/01 21:33
週刊BCN 2015年09月28日vol.1597掲載
記者の眼
長所・短所は残るが技術開発で課題克服へ
スイッチやファイアウォール、ロードバランサ、場合によってはUTMのような情報セキュリティ関連のハードウェア・アプライアンスをも、オープンなVM上で動かしてしまおうというのが、NFVの取り組みだ。VMのように、自由に機能や処理能力が増減でき、プロプライエタリな専用機器を購入しなくてもすむ。さらに運用の自動化も視野に入れているのだから、本格的に実用化されれば、冒頭で触れたように、5年後にはスイッチくらいしかハードウェアは残らない可能性すらある。
ただし、まだ技術的な課題もある。初期のVMでも問題点として挙げられたが、1台の物理サーバーに複数のVMが稼働する構造上、どれか一つのサーバーで負荷が増大すると他のVMの処理速度にも影響が出やすくなる点だ。
運用担当者からすれば、専用ハードであればどこが故障したのか判別しやすかったが、VM上で動くアプリ群となると、使い勝手のいい管理ソフトウェアがなければ、障害の切り分けも含めた統合的な運用は難しい。現時点では、オーケストレーションと呼ばれるNFVの自動的、統合的な運用ソフトは発展途上といった段階だ。
とはいえ、大手ネットワーク機器メーカーやヴイエムウェアのような仮想化ソフトウェアメーカー、ベンチャー企業、新規参入ベンダー、OpenStackやCloudStackといったOSS(オープンソースソフトウェア)勢など、さまざまなプレーヤーがこぞってNFVの技術開発に取り組んでいることから、早いタイミングで技術的な課題が解決され、価格もこなれてくる可能性が高い。SIerやNIer、DC事業者にとっては、NFVに精通した技術者の早急な育成が重要な課題となる。また、NFVを応用した新サービスの開発競争も、一段と激しさを増す見通しだ。
ネットワーク機器がソフトウェアに代替されつつある。NFV(Network Functions Virtualization)と呼ばれる仮想化技術を使い、サーバーやストレージの仮想化と同様、オープンなIAサーバーの仮想マシンの一つとして稼働させる動きが、国内でも本格的になり始めているからだ。ネットワーク機器の脱ハード、脱プロプライエタリの動きにどう対応すべきなのか、SIerやNIer、データセンター(DC)事業者を取材した。(取材・文/安藤章司)
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