『週刊BCN』の特別号
●Sports × IT特集号 1596号は、シルバーウィークの9月21日に発行。スポーツの秋ということで、『週刊BCN』創刊以来初となる、丸ごとスポーツ特集号とした。連載のKey Person企画では、IT業界のためにボランティアとしてITチャリティ駅伝の実行委員長を務めるチャック・ウィルソンさんが登場。特別インタビューには、フルマラソンでエンジニア最速の男、JBアドバンスト・テクノロジー 先進技術研究所の新居田晃史さんが登場。エンジニアらしい効率を極めたトレーニング方法に多くのランナーが注目した。特集や連載も、すべてスポーツ関連の話題で徹底した。
●1600号記念号 10月19日発行の『週刊BCN』は、キリ番の1600号。日本人にとって1600といえば、戦国乱世の終焉につながる“天下分け目の関ヶ原”。戦国乱世のごとく、新しい技術やプレイヤーが次々と現れ、消えていったIT業界。今後、太平の世を迎えることになるのか否か。特集では『天下分け目の「業界勢力図」』と題し、IT業界各分野でどのような競争が、今繰り広げられ、各社・各陣営がどのような取り組みを進めようとしているのか、総力をあげて紹介した。
編集部イチオシ キーワード&造語
FinTech(フィンテック) 1607号
今年半ばから急浮上した感のある新たなIT産業のトレンドが、FinanceとTechnologyを組み合わせた造語である「FinTech(フィンテック)」。文字通り、金融と最新のITを融合して新しい価値をもつサービスを創出しようという動きである。
NFV(Network Functions Virtualization) 1597号
ネットワーク機器をソフトウェアで代替するNFV。NFVでは、サーバーやストレージの仮想化と同様、オープンなIAサーバーの仮想マシンの一つとして、ネットワーク機器が稼働する。ネットワーク機器の脱ハード、脱プロプライエタリの動きが、国内でも本格的になり始めている。
AIer(AIインテグレータ) 1599号
AI(人工知能)を駆使したシステム開発を手がけるインテグレータ。企業向けAI(Enterprise AI)機能のAPI化やクラウドサービス化が進み、企業システムに組み込む環境が整いつつある。そのため、SIer(システムインテグレータ)は、AIerへと変わっていくと予想される。
AUTOSAR(オートザー) 1591号
欧州発のオープンなベーシックソフトウェア「AUTOSAR(オートザー)」の存在感が急速に高まっている。組み込みソフトの“牙城”とされる自動車分野を切り崩されないために、日本の組み込みソフト開発ベンダーの対応に注目が集まっている。
レジェンドシステム 1590号
時代の変化とともに消えゆく存在のはずだったメインフレーム。ところが、この先の10年はまだメインフレームが使われているという。現役バリバリだ。歴史の長さから“レガシーシステム”とも揶揄されるメインフレームだが、もはや“レジェンドシステム”と呼ぶのがふさわしい。
ゆく年くる年
2015年はどのような年でしたか。多くのIT関連企業が業績を伸ばしました。この先のIT市場も、しばらく緩やかな成長を続けていきそうです。ただ、この先もずっと「安心してください!」といえるほど、世の中は甘くありません。潮目はいずれ変わります。早ければ17年、遅くとも20年。案件不足で、人材過多の状況になるといわれています。読者の皆さんは、どのような対策をお考えでしょうか。
おかげさまで、『週刊BCN』は今年も毎週発行し続けることができました。12月に開催したイベント「BCN Conference 2015」では、1年間の活動を一つのかたちにすることを目指したのですが、おかげさまで大盛況でした。ありがとうございます。今年はIT業界の大きな変化を感じた1年でした。BCN Conferenceが盛況だったのも、聴講者のみなさんが市場の変化を敏感に感じているからだと思います。
2016年、週刊BCNは35周年を迎えます。これからもIT業界とともに歩んでいきます。来年もよろしくお願いいたします。
『週刊BCN』編集長 畔上文昭