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NTT東日本・NTT西日本の経営戦略 新領域の売上高比率を5割に 農業や健康など地域に根ざした事業を創出

2022/07/14 09:00

週刊BCN 2022年07月11日vol.1930掲載


 NTT東日本とNTT西日本の社長が6月17日付で交代した。NTT東日本は直近までNTT本体の技術戦略担当の副社長を務めた澁谷直樹氏が、NTT西日本は、NTTグループの海外事業を一翼を担う英国のNTTリミテッドの社長を務めていた森林正彰氏が、それぞれトップに就いた。両社の社長は、主力の固定電話の収入が縮小傾向にあることを踏まえて、農業や健康、エネルギーといった地域産業の活性化を成長の柱に据えると口をそろえる。両社のトップは新しい領域でビジネスを手がける事業会社を積極的に立ち上げてきたこれまでの経緯を踏まえ、2025年度をめどに新領域のビジネスの売上高比率を5割程度まで高めていく方針を示す。
(取材・文/安藤章司)

分散型ネットワークを構築へ

 NTT東日本の澁谷社長は、6月28日の事業説明会で地域に産業を根づかせ、成長させる「ソーシャルイノベーション型」ビジネスを目指すと表明した。具体的には、農業や漁業、酪農、伝統文化、エネルギーなど個々の課題を解決するこれまでの取り組みを継続しつつ、「産業や人材が再び地域に戻り、地域社会全体でイノベーションを起こす活動に力を入れる」と話す。

 地域社会の人材が枯渇し衰退していく現象の裏返しとして、首都圏に人材が集中しすぎている現状がある。インターネットの通信トラフィックを見ても約75%が東京に集中しており、人、企業、モノ、交通だけでなくデータも一極集中している。澁谷社長は「効率性を最優先した集中モデルではなく、地域の多様性と効率性を両立させる分散モデルを目指す」とした上で、地域で完結するネットワークと地域同士を次世代の光通信技術IOWN(アイオン)で結んで超高速、超低遅延、低コストのネットワーク構築を推進していく方針だ(図1参照)。
 

 NTTグループでは、7月1日からリモートワークを基本とする新しい働き方を始めており、NTT東日本も持ち前の通信ネットワークを活用した多様性と効率性を両立させる分散モデルを率先して実践していく。NTTグループが打ち出した新しい働き方は、「住む場所」の自由度を高めることが重要との認識のもとに、全国どこからでもリモートワークによって働くことを可能にするものだ。まずは自分たちが手本となって、地域に居住しながら、リモートで仕事をする分散型の働き方を定着させていく。

 澁谷社長はNTTに入社したばかりの35年ほど前に、サテライトオフィスで勤務する働き方の推進担当に就くなど、「筋金入りの働き方改革論者で、働き方改革はデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要な一要素」だと捉えている。今のような首都圏一極集中では、人が地域に移り住み、地域に産業が増えていく方向に持っていくのは困難として、今後、さまざまな業種・業態でリモートワークを前提とした、住む場所の制約を受けない働き方を普及させるとともに、そうした働き方を支える分散型ネットワークをIOWNなどの最新技術を駆使して実現していく。こうした取り組みが結果として「災害に強い国づくりにつながる」とも話す。

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