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米MicrosoftのAI戦略 「副操縦士」がもたらす新世界

2023/05/04 09:00

週刊BCN 2023年05月01日vol.1967掲載

 米Microsoft(マイクロソフト)がAI戦略を積極的に展開している。話題の「ChatGPT」の開発などで知られるOpen AIと2019年に結んだ戦略的提携を、今年に入ってからさらに強化。さらに、サティア・ナデラCEOによる「マイクロソフトのすべての製品、ソリューションにAIを組み込む」との宣言を裏づけるように、AIを採用したサービスを矢継ぎ早に発表している。マイクロソフトのAI戦略において、キーワードとなっている「Copilot(副操縦士)」から狙いを探る。
(取材・文/大河原克行  編集/藤岡 堯)
 

 マイクロソフトは、23年1月以降、急速な勢いで、AIに関する発表を行っている。

 1月に「Azure OpenAI Service」の提供を開始したほか、ChatGPTのAzureへの実装を発表。2月には「Teams Premium」や、営業支援製品の「Viva Sales」に、自然言語モデルであるGPT-3を搭載することを明かし、BingやEdge、Skypeにも次世代対話型AIを搭載することを発表している。3月には、Windows11に、GPT-4を活用した「New Bing」を取り込んだほか、「Microsoft Dynamics 365 Copilot」を発表し、Azure OpenAI ServiceにおいてChatGPTを利用できるようにすることを公表。さらに「Microsoft 365 Copilot」によって、多くのユーザーが活用する身近な製品でも、次世代AIを活用できるようにした。4月には、サイバーディフェンスに次世代AIを適用する「Security Copilot」を披露し、まずはプライベートプレビュー版の提供を開始するという。

 AIポートフォリオを簡単にまとめてみると、先述したMicrosoft 365やDynamics 365、Azure OpenAI Serviceのほか、Vision、Language、SpeechといったSDK、Bot Service、Form Recognizerなどのユースケース製品、シナリオベースのサービスであるAzure Applied AI Service、カスタマイズ可能なAIモデルであるAzure Cognitive Service、機械学習プラットフォームであるAzure Machine Learningなどが挙げられる(表参照)。特にMicrosoft 365 Copilotの登場は、次世代AIの実装を身近に感じられる製品として注目を集めている。
 
 
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