――2023年はどのような年だったか。
長く続いたモノ不足の影響が徐々に解消しつつあり、積極的な販売活動ができるようになった。また、ITインフラや情報系アプリケーションの企画や設計、構築、運用、保守などを手掛けるアルファテック・ソリューションズがグループ入りし、SIの部分を強化するなど、将来を見据えた下準備をしっかりと進められた。全体として悪い年ではなかった。
代表取締役社長 松本裕之
――企業のIT投資の意欲はどうだったか。
メーカーや販売パートナーなど、各方面から声が出ており、当社も実感しているが、国内全体で生産人口が不足している。その課題に対し、省力化やDXを目的としたIT投資が、製造系をはじめさまざまな業種で出たと思っている。
――商材別のビジネスの状況は。
「Windows 11」への入れ替えが24年度から始まる見通しで、25年度にはGIGAスクール構想で各学校が導入したPCやタブレット端末のリプレースを見込んでいる。そうした点を踏まえ、23年度の需要は底の状態になるとみていた。当初は苦戦を覚悟していたが、実際はインフレや円安に伴う平均単価の上昇もあって売上金額は確保できている。とはいえ、決して安心できる内容ではないため、今後に向けた準備をしっかり進める必要がある。
クラウドの実績は、まだ満足できる状況ではない。ただ、取り組むパートナーやユーザーの契約数は増えている。SMBの市場では、これから本格的な波がくるだろう。
単体で1兆円超の売上高を目指す
――24年のビジネスの方向性は。
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)やクラウドプラットフォームなど、さまざまな選択肢を組み合わせたハイブリッドなIT基盤の整備に注力する。より複雑なIT環境に対するセキュリティ商材のポートフォリオの拡充や、導入・運用などのサービス化、教育、資格の取得も全社を挙げて推進する。
――販売パートナーとの関係は。
地域に根差した販売パートナーとともに成長できるよう、経営目線も踏まえたお付き合いをしていきたい。既存の経営を支援することはもちろんだが、経営者が代替わりする販売パートナーがあるため、新たな経営者によるチャレンジもしっかりと応援していく。
――今後に向けた意気込みを。
24年度から新しい中期経営計画がスタートする。近い将来、当社単体で1兆円を超える売上高の実現を目指す。しっかりと利益を出し、社員をはじめ各ステークホルダーにしっかり還元できるようにしたいと強く感じている。