──2024年はどのような年だったか。
24年は、25年10月に控える「Windows 10」のサポート終了に向けてPCの入れ替えが大きく進み、サブスクリプション管理ポータル「iKAZUCHI(雷)」経由のビジネスも伸びた。長引いていたコロナ禍が終わりを迎え、ようやくビジネス環境が元の状態に戻ったことを実感した。社内向けでは、単に売り上げや利益を上げるだけではなく、働く女性を応援する仕組みをつくるなど、いかに社員が楽しく働けるかという部分に気を遣った。数字の面ではいい年だったと言えるし、業績の中身を変えていくための方向性を打ち出せた年だったと思っている。
松本裕之
代表取締役社長
──ビジネスの具体的な状況は。
PCについては、今は大企業が中心で、中小企業の動きはこれから本格化していくとみている。クラウドサービスに関しては、これまで地方はそれほどといった感じだったが、徐々に利用が増えてきている。ベンダーの製品をそのまま使ってもらうのではなく、パートナーのサービスを組み合わせるなどして利益を出せるような仕組みを構築していきたい。PCにしてもクラウドにしても、24年は強みである全国の拠点がしっかり機能したと評価している。
東京に新たな拠点を開設
──25年の注力点は。
25年はGIGAスクール構想によって全国で一斉導入された端末の更新が見込まれる。しっかりと需要の取り込みは進めるが、ただ売って利益を上げていくだけではだめだと思っている。売れている間をチャンスと捉え、別の製品やサービスを売っていけるようにしっかり投資する。例えば、PCにはAIの機能が追加されていく見通しなので、エンドユーザーに対して便利な使い方を伝えていけるように販売店と一緒に取り組む。iKAZUCHI(雷)に関しては、取り扱うベンダーの数を増やしていくことに加え、サービスの強化を含めていかに利用率を上げられるかといった部分も考えていく。
──全国の販売店との関係は。
販売店の世代交代が進み、「ITを活用してもっとこうしたい」といった声を聞く機会が増えてきた。今まで以上に関係は強化できているので、この部分は継続する。全国各地に根ざしてビジネスを展開しているのは、われわれの価値なので、各販売店の仕事が楽になるような仕組みの構築に注力する。
──意気込みを。
エンドユーザーのIT投資はこれからも伸びると予想している。いいときだからこそ、引き続き中身を変えていくことに重点を置く。25年に東京に新たな拠点を開設する予定なので、生産性の向上や人の確保につなげる。将来を見据えた取り組みを進め、さらに飛躍できるようにしたい。