ダイワボウ情報システム（DIS）は年次イベント「DISわぁるど in 長崎」を12月11日から12日まで、長崎市の出島メッセ長崎で開催している。「AIを活用し、DXを実現する、デジタル社会の未来を開幕せよ」をテーマに、IT製品・サービスを提供する約180の企業などが出展。DISによると、初日14時30分の時点で来場者は2000人を超え、にぎわいを見せている。長崎市内を拠点にビジネスを展開する地場のパートナーも出展し、各社は自社ソリューションの全国展開に意欲を示している。


　展示会場には、「ITインフラ基盤」「セキュリティ」「ネットワーク」「行政・地域・教育DX」「ペリフェラル（周辺機器）」「アプリケーション・AI」「モバイル・エッジデバイス」の各カテゴリーが用意され、多数の企業のブースが並ぶ。

　大手企業も出展し、米Cisco Systems（シスコシステムズ）、米Google（グーグル）、米Intel（インテル）の各日本法人、グーグル・クラウド・ジャパン、アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン、日本マイクロソフトが参加したほか、日本コンピュータシステム販売店協会（JCSSA）の会員企業で構成されるコーナーも設けられた。

　DISの「ご当地パートナー」として、地場のITベンダーもブースを設置。1958年に創業し、2014年に親会社の扇精光から分社化した扇精光ソリューションズ（長崎市）は、長きに渡って地域のデジタル化に貢献しており、行政の支援に強みを持つ。LGWAN上で稼働する、契約管理や工事の評価ができる「on LGWAN」などを出展し、自治体のネットワークに合わせた業務効率化を提案。主に九州での導入が進んでいるものの、関東をはじめとした他地方での導入も広がっているといい、全国へのさらなる拡販を見込む商材とした。
 
　また、ARグラスを使って現場の若手作業員とオフィスにいるベテラン従業員がノウハウを共有しながら業務を遂行するソリューションのほか、公開されている建物のデータを利用して構築した仮想空間内でコミュニケーションが取れる仕組みを展示。製品やサービス化には至っていないものの、同社の説明員は「地域には人材不足といった課題もあるが、長崎には面白い会社があると少しでも多くの人に知ってもらいたい」と述べ、Uターン人材の確保に期待を示す。

　このほか、NECの販売特約店であるNBC情報システム（長崎市）は、NECの生体認証技術を活用したアルコール検知システムや、学童クラブ運営支援システムを披露。県内で提供していたシステムをクラウド化し、全国展開を視野に入れているという。イシマル（長崎市）は中小企業向けに、バックアップからぜい弱性監視まで一貫してIT運用を支援するサービスを展開。人材不足の情報システム部門の業務を効率化するセキュリティーソリューションなどが注目を集めた。（大畑直悠）