──2025年のビジネスはどうだったか。
クラウドはSaaS、インフラともに非常に好調だった。加えて、オンプレミスのソフトウェア、ハードウェアは下がる想定だったが、24年比で少し上回る結果となった。サービス領域も、コンサルティングやカスタマーサクセスで大きく伸長できた。ビジネスの成長を通じて、お客様のシステムの進化やコスト削減、レジリエンス向上にも貢献できている。専用クラウド基盤の「Oracle Alloy」は採用が広がり、経済安全保障や地政学リスクへの対応に役立てる環境を整えられたと感じている。
三澤智光 取締役執行役社長
──課題はあるか。
クラウドリフトのプロジェクトにおけるデリバリーのスピードを高める点だ。期間が短ければ短いほど、お客様は成果を得られ、人件費も減らせる。大規模基幹システムのクラウドリフトに関しては、経験のあるパートナーがまだまだ少ない。SaaSでもスピードアップし、デリバリーできる数を増やしたい。そのためには、われわれのコンサルティング部隊が培ってきたノウハウを、いち早く展開することがかぎだ。
AI時代のデータのあり方を発信する
──AIへの取り組みについて聞く。
オラクルが掲げる、データのあり方についてのコンセプトや考え方を、AIエンジニアの皆さんに届けることが、日本でAIを普及させる重要なポイントだ。「Oracle AI Database」に全てのデータを寄せるのではなく、さまざまなデータソースのコンテキストをベクトル化し、AI Databaseに集約することで、新しいデータプラットフォームが実現できるだろう。
──パートナー戦略の注力点は。
先ほど述べたように、安全かつ早期のデリバリーに尽きる。クラウドリフトでも標準化や自動化が徹底されていないとトラブルが多くなり、リフト期間が長くなりすぎる。期間を短縮し、浮いたコストを他のプロジェクトに回せるようにする必要がある。また、本当の意味でのAIエンジニアを育成していく義務がある。パートナーのトップエンジニアだけを集めた会や、ユーザー会の充実を進めている。
──26年の意気込みを。
ITコスト構造の改革をどれだけお手伝いできるかがかぎだ。日本はIT投資に対する人件費の割合があまりにも多い。その結果、お客様自身と、お客様をサポートするパートナーのスキルの停滞を招いている。標準化と自動化を進め、IT部門の無駄な人件費を削減し、浮いた分をAIプロジェクトや本当に手掛けるべき仕事に回していかなければ、日本の競争力に大きく影響する。労働集約的な産業になりつつあるIT産業を変える。それが、われわれの仕事だと思っている。