日本オラクルは12月11日、都内で「Oracle Cloud and AI Forum」を開き、10月に米ラスベガスで開かれた「Oracle AI World 2025」で発表された最新のAI関連ソリューションや、国内における多数の顧客事例を発信した。
 
　基調講演には三澤智光社長に加え、KDDI、野村総合研究所（NRI）、住友生命保険の3社の役員らが登場。「モダナイゼーション」「専用クラウド」「SaaS」などのテーマに沿った事例が示された。

　KDDIは「Oracle Cloud Infrastructure」を活用した大規模基幹システムの移行のプロジェクトを紹介。運用などにかかる人的コストの改善を図るとともに、社内スキルの強化、内製化促進などにもつなげる取り組みを進めているとした。NRIはソブリンクラウド基盤の「Oracle Alloy」を用いたセキュリティーサービス「NRIデジタルトラスト」や金融AIプラットフォーム「YUIAI」について説明した。
 
　住友生命保険は、オンプレミスの会計システムを「Fusion Cloud ERP」に刷新する計画を進めており、業務の標準化や生産性の向上、AI活用の推進といった点に関するSaaSの価値に言及した。スピーカーを務めた角英幸副社長は、報道向けセッションにも登壇。システム移行に向けては、自社とソリューションプロバイダーやパートナーが「会社の枠を超えて意見を交換してつくりあげる」ことが重要だとし「大変うまくいっている」と、2026年4月の本稼働への手応えを語った。

　三澤社長はSaaS領域のパートナーエコシステムについて「リソースがかなりのレベルで拡充されつつある」と述べ、さらなる成長に意欲を見せた。
（藤岡 堯）