──2025年の成果を聞く。
営業DXサービス「Sansan」は堅調に推移した。まだまだ名刺データをビジネスの中で有効に活用できている企業は少ない。今後もさらなる成長を見込んでいる。
富岡 圭 共同創業者 取締役執行役員COO
経理DXサービス「Bill One」に関しては、法改正による追い風がなくなっても高成長を継続している。経費精算といったモジュールと組み合わせて顧客単価を増加できたことや、大企業の案件を獲得した点が寄与した。
──25年は営業体制の強化も図った。
営業生産性が向上し、確実に成果が出ている。ただ、複数製品を組み合わせた提案が課題だ。SansanやBill One、契約書管理「Contract One」の製品面での連携性は高めているが、事業部の垣根を超えた顧客への提案に関してはこれからだ。
25年11月には営業支援の「Sansan AIエージェント」を発表した。AIエージェントの回答の品質を高めるために、名刺だけではなく、請求書や契約書といった情報も必要とされるだろう。Sansan AIエージェントを入り口とした複数製品の販売は、今後の大きなテーマになる。
AI活用の進展を突破口に
──26年の成長戦略を聞く。
Sansanの成長が続く一方で、単なる名刺管理ツールというイメージがなかなか拭いきれていない。これを変える上で、企業のAI活用の進展が突破口になる。生成AIのモデル自体がコモディティー化する中、名刺を中心とした顧客情報を正確に蓄積したデータが顧客ごとに強みをつくり出す。これを実現し、生成AI活用の競争優位性を高める製品というポジションを確立したい。
パートナーとの連携という点では、さまざまなツールとSansanのデータ連携を効率化する機能が好調で、単純な再販にとどまらない連携が進んでいる。今後は25年12月に発表したデータ品質を向上するサービス「Sansan Data Intelligence」がデータ連携も担えるようにする計画で、AI時代におけるビジネスデータベースとして顧客の変革をパートナーとともに推進する。
──Sansan AIエージェントの販売戦略は。
販売ターゲットとしては中堅企業を想定している。すでに何らかの生成AIツールを導入している大手企業に対してはSansan内のデータにアクセスできるようにする「Sansan MCPサーバー」の提供に力を入れる。あくまで当社の強みは名刺や請求書などの独自データをつくり出して蓄積できる部分。インターフェースとなる生成AIについてはワンオブゼムでも構わない。
Sansan AIエージェントに関しては、コンサルティングや企業ごとのカスタマイズを重視し、データの整備で課題を持つ企業の支援に力を入れる。