Sansanは11月21日、記者説明会を開き、企業の独自データを活用した営業活動を支援する「Sansan AIエージェント」の提供を開始したと発表した。名刺情報による営業DXサービス「Sansan」や外部システムなどの情報を一元化するデータ基盤と、そこから自然言語で情報を引き出す生成AIツールを提供する。SIパートナーとの連携を推進し、顧客ごとのニーズに合わせたデータ活用の環境を構築するとした。
(大畑直悠)
Sansan AIエージェントは、生成AIによって提案先の選定や商談シナリオの準備などを支援するソリューション。生成AIによる回答にはSansan内に顧客が蓄積した名刺情報を中心に、経理DXサービス「Bill One」や契約書管理サービス「Contract One」、SFAや基幹システムなどの外部システムのデータを利用する。また、顧客がすでに利用する生成AIツールからSansan内のデータにアクセスできるようにする「Sansan MCPサーバー」をトライアルで提供中であることも公表した。
寺田親弘 社長
寺田親弘社長は「生成AIの活用で競争力を得るには、企業独自のコンテキストやデータを組み合わせていくしかない」とした上で、「Sansan、Bill One、Contract Oneによって人流、金流、商流という企業にとって重要な情報を蓄積可能にしてきた強みを生かせる。これまでビジネスデータに向き合い続けてきた知見を用いて、業務課題に対して確かな成果を出す生成AIを実現する」と意気込んだ。
Sansan AIエージェントの導入時にはデータの統合や基盤整備を支援するサービスも合わせて提供する。寺田社長は「これまでインテグレーションをサービスとして提供したことはなかったが、当社のプロダクトだけで必要なデータセットを網羅することは難しく、また、顧客ごとに使うシステムがさまざまある中、パッケージ的なアプローチでは難しいと判断して用意した。企業独自の環境とニーズに合わせて最適な生成AIのユースケースを一からつくり上げる」と説明した。
インテグレーションサービスの提供体制の拡充に取り組んでおり、すでに約10社へのPoC(概念検証)の実施を通してノウハウを有した人材を増やしている。今後はSIerとの連携も積極的に進めていく構え。米Salesforce(セールスフォース)製品や、オンプレミス環境にあるシステムの保守や運用に強みを持つパートナーの獲得を目指す。
同日、企業が保有する取引先データの名寄せや、重複や更新漏れを補正するサービス「Sansan Data Intelligence」も発表した。同社が保有する800万件を超える企業情報を用いて自動的に顧客のデータを更新する。CRMや基幹システム、「Excel」などに分散しているデータの管理を一元化し、最新で正確な状態にできるとした。今後はSansan AIエージェントと組み合わせた導入や、生成AIの参照元のデータの品質を上げ、回答精度を向上したい企業への販売を推進する方針だ。